月別アーカイブ: 2018年1月

留学報告④ ZSFGH/OTI その2(斉藤 公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.

③ZSFGH/OTI その2 ZSFGHについて

現在お世話になっている病院はZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)です.かの有名なFacebookのマークザッカーバーグが多額の寄付をして冠にZuckerbergの名前がついています.奥さんがSFGHで勤務していた経験があるようです.今回はZSFGHについて.

ZSFGHは1850年に設立された歴史のある公立病院です.建物自体は寄付により新築された外傷センター,40年前に建てられた旧病棟(現在も外来等で使用),1906年のサンフランシスコ大地震に耐えた煉瓦作りの病棟(外来や研究棟)が混在しており,全体としてはかなり広い施設面積です.

アメリカでは保険で受診できる病院が決まるという話がありますが,保険のない人も実際には沢山います.ZSFGHは公立病院なので,そういった患者さんも全て受け入れている病院です.

救急外来はサンフランシスコ市内では唯一のLevel 1 trauma centerとなっており,24時間重度外傷を受け入れています.当然,銃やナイフでの外傷なども多く(多くは麻薬がらみだそうです),病院には常に警察車両が常駐してセキュリティを保っています.

Level 1 trauma centerの施設基準はかなり厳格に決められているようです.この病院では一度に20台の救急車を一気に受け入れるキャパシティを持っているそうです.最初聞いたときは信じられませんでしたが,手術前室,手術後室が併せて50ベッド近くあり,マンパワーもそれに応じた人数を保っているとのことです.手術室は14室あるうちの1室は緊急用に常にセットアップされており,いつでも手術ができる状況を保っています.

2013年にサンフランシスコ国際空港で起きた,アシアナ航空着陸失敗事故の際,負傷者数180人うち重傷47人で,67人収容(入院をしない軽症を含めるともっと)したとのことでした. 救急隊との連携もしっかりしていて,現場でトリアージ後,一気に搬送されるのではなく,病院でも余裕をもって対応できるように3回に分けて患者が搬送されてきたとのことでした.

このように外傷患者が多いため,科を問わず”Trauma guy”達が集まる病院です.次回はZSFGHにある,Orthopedics Trauma Institute (OTI)について.

 

左が100年以上前の建物,真ん中が新しい外傷センター,右が旧病棟.

 

常にスタンバイされている緊急手術用の部屋.

 

スクラブ管理マシン.かなり厳重に管理されます.

 

つづく

第30回専門医試験(赤川学、尾野祐一、木村竜太)

H30年1月18日、19日に神戸で第30回専門医試験が開催されました。

大学組の赤川、尾野、木村の三人は、天候不良による飛行機の欠航の可能性も考慮し、前日の日中に神戸に到着しました。実際は天候も良く、スムーズにホテル周辺まで来たので、時間に余裕もありチェックインまで近くの喫茶店で、三人で確認しながら過去問を解きました。気になった項目や、出そうな項目など相談しましたが、その内容が割と本試験に出て、情報を共有しながら勉強するのが大切だと改めて感じました。

会場では北秋田市民病院の加賀望先生、羽後病院の益谷法光先生が合流し、計5名が受験しました。

 

初日は筆答試験、2日目は口頭試験が行われました。

筆答試験ではロコモなどの最近話題にあがる分野についての出題も多くあり、日頃からいろいろな話題にアンテナを張り巡らせておくことも大事だと感じました。また筆答・口頭試験ともに、恒例の秋田大学特製プレテストで指導いただいた部分からの出題も多く、本郷講師の側弯症の講義はそのまま口頭試験に出たので自信を持って回答することができました。ご多忙の中、講義いただいた先生方、本当にありがとうございました。

 

試験後には試験官をされていた島田教授と合流し、皆の不安を打ち消していただきました。結果は2月に発表予定です。

留学報告③ ZSFGH/OTI その①(斉藤 公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.

 

③ZSFGH/OTI その①

現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.かの有名なFacebookのマークザッカーバーグが多額の寄付をして冠にZuckerbergの名前がついています.ここで臨床研究と,病院で外来や手技の見学を主に行っております.この病院には島田洋一教授の御学友であり,米国でリハ医として勤務されている長尾正人先生が所属されており,今回の留学も長尾先生に多大なる尽力を頂いて実現しました.

とある前情報では,英語が話せなければかなり白い目で見られるとのことで戦線恐々としていました.出国前までに駅前留学で頑張るつもりが全くチケットを使うことなく米国に来てしまったため,冷たい目線と態度を覚悟して留学先に向かいました.が,杞憂でした.スタッフの皆さんは自分のつたない英語をしっかり聞いてくれようとしてくれ,分かるようにゆっくり話してくれたり,全てにおいて親切にしてもらってストレス無く留学生活をスタートできました.

歴史的な背景もありサンフランシスコにはアジア系やヒスパニックがとても多く,テック産業もあり,他民族な街です.そのため,多少英語の発音が悪かろうが,文法が間違っていようが,意外と大丈夫な地域のようです.というか,スペイン語しか話せないとか中国語しか話せない人も沢山います.そのため,外来見学をしていても,ここはどこなのか分からないくらい様々な言語が飛び交います.そして,それに対応すべく,翻訳する人も常駐しており,電話をスピーカーモードにして同時通訳しながら診察する,ということが通常の風景です.日本では考えられませんが,こっちの人からすると,日本は大変だね,となるようです.単民族国家でずっと暮らしていたので逆に気づきませんでしたが,良くも悪くも日本はとても特殊な国なのだとこちらに来て感じています.

ZSFGH,OTIの概要,外来の内容や長尾先生のinjection見学についてはまた後日に.

Zuckerberg San Francisco General Hospital (ZSFGH)

真ん中が寄付で新築された新病棟です.

 

翻訳機 と言えば凄そうですが,実際は単なるスピーカー付きの電話で,電話口の通訳さんにつながります.

1スペイン語,2広東語,3北京語,4台湾語,5ベトナム語,6ロシア語,7韓国語,8アラビア語,9タガログ語,0他 と書いてあります.日本語はマイノリティです.

外来診察室

病院入り口

 

つづく

日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会の関節鏡技術認定制度

今回は、数ある整形外科関連学会の中でも会員数の多い日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(以下JOSKAS)で始まった関節鏡技術認定制度(膝関節)について解説します。関節鏡手術は、日本で開発された歴史があり、非常に低侵襲であり、多くの関節で普及し、実施されてきました。しかし、特殊な器具を用いて行う手術であり、高度な技術が要求されます。このJOSKASの関節鏡技術認定制度は、共通の基準にしたがって鏡視下手術に携わる医師の技量を評価し、一定の高い基準を満たした者を認定するもので、これにより本邦における鏡視下手術の健全な普及と進歩を促し、延いては国民の健康や福祉に貢献することを目的とし制度化されました。認定の要件は、

  1. 日本整形外科学会専門医であること。
  2. 学会入会後5年以上の、JOSKAS会員であること。(2017年1月1日現在)
    (61歳以上の方に関しても例外を設けず審査することにしました。)
  3. 手術実績に必要な最小の目安は、細則に定めるごとくであり、十分な経験を有していること。
  4. 本委員会が認める関節鏡視下手技に関する教育セミナーに参加していること。認定の方法は別に定める。
  5. 国内ないし国際学会などにおいて関節鏡視下手術に関する十分な業績を有すること。
    (初回口演あるいは論文発表から10年以上の経験を有すること。また、共同演者、共著者でもこの基準に含まれ得るものとする。)
  6. 過去1年以上の関節鏡視下手術を継続して修練を行っていること

ここで手術実績の具体的な数については、過去 5 年間に関節鏡視下前十字靱帯 (ACL)再建術 50 症例および半月板縫合術 30 症例、合計 80 症例の手術数をACL再建術および半月板縫合術の手術記録の提出および鏡視下手術の動画記録とレポートの提出が必須となります。

合格率については第1回が69.4%(合格者48名)、第2回が43.8%でした。

不肖、私も第2回技術審査に申請し、無事合格することができました。

秋田県の関節鏡技術認定合格1号となります。

 

秋田大学大学院整形外科

Akita Sports Arthroscopy and Knee Group Director

齊藤英知

 

 

なまはげ疼痛管理セミナー(粕川雄司)

2018年1月17日水曜日、秋田ビューホテルでなまはげ疼痛管理セミナーが開催されました。2018年最初のセミナーとなり、非常に多くの方々にご参加頂きました。
一般演題では、齊藤英知先生から「変形性膝関節症の歩行時関節面傾斜の自然経過」と題し発表を頂きました。症状が出ることが多い歩行時の膝関節の変化について詳細に検討した結果をお話しいただきました。さらに、変形を生じた人工関節置換術後の膝に骨切りを行って良好な結果が得られた症例もご提示いただき、勉強になりました。“裸参り”頑張ってください。
特別講演は、帝京大学医学部 整形外科 教授 中川 匠先生より「変形性膝関節症の病態・診断・治療」と題してご講演頂きました。膝の変形性関節症について、肥満と関連した病態や立位でのX線写真での診断の重要性をお話しいただきました。さらに、薬物や運動での治療法や、ナビゲーションを併用した手術治療などについて、大変わかりやすくご講演いただきました。お忙しいところ秋田までお越し頂き、ご講演頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。