月別アーカイブ: 2018年2月

留学報告⑭ スポーツ外来 Anthony Luke先生(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はスポーツ外来見学 その1

いつもお世話になっている長尾正人先生に,UCSFでスポーツドクターとして勤務されているAnthony Luke先生を御紹介頂き,UCSFのスポーツ外来を見学してきました.

Anthony Luke先生はバンクーバー冬季オリンピックにも帯同された先生で,UCSF Orthopedics Instituteのスポーツ外来で診療されています.Luke先生は家庭医をバックグラウンドとしているため手術はされませんが,筋骨格系疾患全体を幅広く診療されて,時には脳振盪の患者も診療されます.

午前中は12人ほどの診療で,神経根性の腰痛,骨頭すべり後の若年性OA,半月板損傷,Hamタイトネス,こむらがえり,凍結肩,腓骨筋腱脱臼,痛脳振盪など部位も年齢も背景も人種も多様で,幅広い知識と気配りが必要となるようです.スポーツ外来ということもあり,患者さんの知識も相当なもので,文献レビューを行ってくる家族もいます.治療についても,他の治療法,どれくらいの効果があって,何%の人が良くなるのかまで細かく聞かれます.Luke先生は1人1人丁寧に診察し,病状・原因・治療について分かりやすい説明を行っていました.

午後は10人ほどの診療で,主にエコーを使った診療で,エコー下の関節内注射や診断目的の注射,膝蓋腱障害に対するPRP治療などを行っていました.HA注射の多用はなく(保険とガイドラインの関係かもしれません),ステロイドを最低3ヶ月以上間隔あけて注射することが多いようです.

診察スタイルはSFGHと同じで,医師が部屋に出向く形をとっており,Luke先生は3-4部屋を行ったり来たりする形です.ここにはSFGHほど多くのレジデントはおらず,レジデントが予診を行ったりはしていませんでした.

また,診療補助を行ってくれる看護師さんもおらず,担当のAthletic Trainerが患者の入れ替えや部屋の整理などを行っている状況で,人件費はできるだけかけないようにしている印象を持ちました.

目新しいこととして,Luke先生はGoogleグラスを用いた診療アシストのTrialを行っているようで,Googleグラスをつけた状態で診療されていました.アシストの内容は,カルテ記述のディクテーションの補助,電話,メモなどです.Luke先生曰く,ペーパーワーク業務の約20%の負担軽減になっている感じがするとのことでした.見た目はそれなりに目立ってしまうものなので,患者さんには診療前に必ず説明を行い,簡単に同意を得ていました.今後,もしかしたらこのような技術がだんだんと流入してくるのかもしれません.

動作解析の部屋を見学させて頂いたり,オリンピック帯同時の裏話などを教えて頂いたりもして,大変興味深く,勉強になる外来見学でした.

Orthopedics Institute ビル1個,全部整形外科用です.

Googleグラスを着用したAnthony Luke先生と

Human Performance Center

留学報告⑬ 小林祥先生とパルナサスキャンパス(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はUCSF Medical Center @Parnassusについて

UCSFには4つの中核関連施設があります.私の所属しているZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)の他に,UCSF Medical Center @Parnassus,@Mt. Zion,@Mission Bayがあり,それぞれ日本の大学附属病院のような教育病院的な役割を果たしています.それぞれの病院に特色があります.

正面玄関

 

浜松医科大学整形外科で脊椎がご専門の小林祥先生の御高配の下,UCSF Medical Center @Parnassusを見学しました.小林先生はUCSF Medical Center @Parnassus でDr. Vedat Devirenに従事され,研修,臨床研究をされています.データベースの作成などに携わっておられ,既に論文も投稿されているそうです.

UCSF Medical Center @Parnassusには多数の施設があり,規模が大きく,素晴らしい眺望で,図書館の蔵書も豊富です.病院は,手術室と基礎研究の教室が同じ棟にある,研究に有利な構造をしていました.

外来からの風景 天気が良ければゴールデンゲートブリッジも見えます

 

小高い丘の上に建てられた外来棟からはゴールデンゲートブリッジを望むことができます. ちなみに,ここの外来診療はアメリカでよくある,ジーンズなどのラフな格好は禁止されているそうです.

また,脊椎外科は脳外科と整形外科の医師合わせて24人で,手術も一緒に組むことも多いそうです.これはアメリカでもよくあることではなく,珍しいそうです.

このような機会を与えて頂いた浜松医科大学 小林祥先生にこの場を借りて御礼申し上げます.ありがとうございました.

筆者と小林先生

 

つづく

障がい者スポーツ医養成講習会(木村竜太)

本講習会は障がい者スポーツの発展のため、年1回、埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターで行われています。

今回は2月23日〜25日に行われ、秋田県からつつみ整形外科の堤祥浩先生と木村の2名が参加しました。

 

障がい者スポーツといえば、メディアで取り扱われる肢体不自由(脊髄損傷や肢体切断)のイメージが強いですが、他にも視覚障がい・聴覚障がい・内部障がい(心機能・呼吸機能・腎機能障がいなど)、知的障がい、精神障がいがあります。

本講習会ではパラリンピックのような競技スポーツだけでなく、病院内で行われるリハビリテーションスポーツ、在宅・施設内で行われる生涯スポーツについても学ぶことができました。

 

知的障がいのある人たちの大会を、スペシャルオリンピックスと呼びますが、知的障がいのマラソン世界記録保持者は日本人だとご存知でしょうか?時間は2時間23分09秒と素晴らしく、世界選手権ではこのような選手が、サインを求められているそうです。日本もいつかそんな雰囲気になって欲しいです。

 

実技では車椅子バスケとゴールボールを体験しました。ゴールボールでは、ロンロンパラ金メダリストの女子選手など、ナショナルチーム選手から直接指導頂きながら行いました。アイシェイドという、光も一切通さないマスクをつけ、何も見えない中で行うスポーツの経験は貴重でした。車椅子バスケは、下肢を使えない難しさがありますが、障がい者の方と同じ目線で一緒に楽しむことができるスポーツだと思います。初めてのブザービートも経験でき大満足でした。

パラスポーツはまだまだ知られていないだけで、オリンピックスポーツと同じくらい楽しめます。ぜひ盛り上がっている平昌でも、パラスポーツも注目してみてください!今年はNHKでも初の実況つきです。

 

懇親会では他県の整形外科の先生と、切断術の是非について議論できました。重度四肢外傷において、四肢を温存することが理想と考えていますが、機能としては切断し義肢や車椅子などを使うことで世界で活躍するアスリートになれる可能性もあります。このようなパラアスリートの活躍が、今後の治療方針にも大きく影響してくるかもしれないと考えさせられました。

 

今回の講習会を終えた69名を合わせ、全国で計524名が障がい者スポーツ医として登録されます。年々講習会の人気は上がっており、倍率は1.5倍ほど、受講資格を得るのも大変になってきたようです。ご興味のある方はお早めに!

 

秋田県内の障がい者スポーツ医は当科の藤井昌先生を含め、4名になりました。IPC(国際パラリンピック委員会)のmottoである「To enable Para athletes to achieve sporting excellence and inspire and excite the world」のように、秋田でも障がい者がスポーツを楽しむことができる環境、活躍できる環境を作り、さらにそれが健常者のスポーツ環境改善、意欲向上につながることを信じ、サポートしていきたいと思います。

 

 

第48回人工関節学会に参加して(岩本陽輔)

2/23-24に東京で開催された第48回人工関節学会に参加してきました。

今回の人工関節学会には秋田の同門からはAHRG、ASAKGのメンバーを中心に多くの先生方が参加されました。AHRGからは小西先生、田澤先生、木島先生、佐々木研先生、鈴木紀夫先生、長幡先生、三浦先生からの発表がありました。

学会ではステム選択の考え方や脊椎、骨盤アライメントに対するカップ設置の考え方など多岐にわたり勉強することができました。この学会で得た知識を日々の診療・研究に活かしていきたいと思います。

発表をするAHRG若手と小西副会長、田澤人工関節センター長

 

脊椎内視鏡手術研修 in 札幌(尾野祐一)

島田教授と札幌医科大学の吉本三徳准教授のご高配により、脊椎内視鏡手術の見学のために、平成30年2月13日~16日に木村竜太先生が、2月19日~23日に私が札幌に行ってまいりました。私は、吉本先生の手術(MED 2件、ME-MILD 2件)と関連病院である麻生整形外科医院の坂本直俊先生の手術(MED 1件、MEL 1件)を見学させていただきました。吉本先生は脊椎内視鏡術をこれまで1000例近く行っており、手術前のセッティングから術中の注意点、術後管理に至るまで、私の基本的な質問にも丁寧に解説していただき、大変勉強になりました。また、札幌医大整形外科の1週間のカンファレンスにも参加させていただき、脊椎だけでなく四肢の手術患者のプレゼン・ディスカッションもみることで、秋田大学との違いを感じつつ、良い刺激を受けることができました。

お忙しい中、手厚い歓迎をしていただき、とても有意義な一週間を過ごせたと感じております。この経験を活かして、秋田県で自分でも脊椎内視鏡手術を導入していけるよう頑張りたいと思います。

留学報告⑫ サンフランシスコの街並み(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はサンフランシスコの街並みについて

サンフランシスコは移民の街です.多種多様な人種がここに住んでおり,街並みも驚くほど多様性に富んでいます.

典型的な,坂にビクトリアンハウスが並ぶ風景.この辺の家は写真の家の1つが売りに出されていて,お値段は…

ミッション地区 ここはスパニッシュ系の人たちが多く住む場所.個性的で小洒落た店も多く,最近は若い人にも人気.

中華街.世界でも類のない大きさとのこと.通りも公園も,完全に中国です.英語が通じません…

小さいですがジャパンタウンもあります.アメリカ式にモディファイされています.

エンバーカデロ(ファイナンシャルディストリクト) オフィス街です.ケーブルカーはここから出発するカルフォルニアラインに乗るのがおすすめ.いつも空いています.

イタリア人街 中華街とファイナンシャルディストリクトに隣接していて,境目の交差点にいると,今どこの国にいるか分からなくなります.

カストロ 虹色の横断歩道はLGBTの社会運動を象徴しています.

ヘイト・アシュベリー ヒッピー発祥の地.家族でも絡まれるのはここくらい…

家の近所のミッションベイ地区.新興住宅地なので一番個性がないかもしれません.

つづく

留学報告⑪ ラグーナホンダホスピタル(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はLaguna honda hospital見学について

2018年1月22日から25日まで,長尾正人先生の御高配で,ラグーナホンダホスピタルという病院を見学させて頂きました.創設150年になる非常に歴史のある病院です.

神様のホテルー奇跡の病院で過ごした20年間」という本の舞台がこのラグーナホンダホスピタルの旧病院だそうです.また,「States of Grace」というドキュメンタリー映画の主人公であるグレース医師が勤務されている病院です.詳細はリンク先を御参照下さい.

もともとはゴールドラッシュ時代の開拓者や炭坑夫のための救貧院として機能していた施設です.施設の老朽化のため,閉鎖の可能性もあったようですが,住民投票により存続が決定し,2010年頃に現在の新病棟が建設され今に至っています.

旧病棟は1部屋10数人収容し,カーテンで仕切られるような昔ながらの施設で,最大1000床以上あったトのことですが,現在の新病棟は760床になったそうです.旧病院時代から勤務されている,今回お世話になったLisa Pascual先生に苦労話を伺いました.

敷地は広大で,62エーカー(東京ドーム5.3個分)あり,敷地内には旧病棟は現在使用されていない部分も昔の雰囲気のまま取り壊されずに残されています.

760床のうち, Acute care unit(集中リハ)約20床,Skilled nurse facility(日本でいう慢性期?あまり手のかからない患者さん)約20床の合計約40床程度があるようです.

医師は常勤2人,非常勤1人のPhysiatrist (日本でいうリハビリテーション医ですが,少し違う気がします.詳細は後日報告致します),PT,OT,STは合わせて30人程度で規模にしては多くない印象です.ここもブログに記載したZSFGHと同様公立病院ですので,保険のない患者さんやmedicareと呼ばれる年金生活の患者さんが対象になっています.病院の成り立ちからして富裕層の病院ではありません.しかし施設は非常に整っており,Therapistから非常に人気のある病院と伺いました.

施設の特徴として,いろいろなセラピーが行われており,アート,ミュージック,瞑想,更には施設内に動物園や植物園もあり患者さんを癒やしています.

動物園,時々病棟にも彼らが登場します.

 

リハビリテーション部門では基本施設はもとより各種トレーニングマシン,大小2つのプールも完備されています.自宅・社会生活復帰のための擬似的生活環境施設もあり,非常に充実している印象でした.サンフランシスコ近郊でここまで充実しているのはここだけとのことです.

レール,階段,バスケットゴール

キッチン.実際に料理をすることもあるそうです.隣にはトイレやお風呂の訓練施設も.

プール

リフト付きの部屋

Lisa Pascual先生と

Nancy Fung先生と

 

留学報告⑩ 免許・SSN(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はSSNと免許について.

 

  • ソーシャルセキュリティナンバー;SSN

これがないと手続きが進みにくいこともあり,すぐに手続きすべき書類のひとつです.申請して14日程度で届きます.実際はなくてもなんとかなりますが,後述する運転免許は,SSNがないとなかなか届かないことがあるようです.

 

 

 

 

 

 

 

  • 交通ルールの違いと

サンフランシスコはとても小さくまとまっている街なので,車が無くても特に問題はありません.しかし,少し遠出をしたいときや,買い出しの時などは車があると便利です.半年だけの滞在ですが,運転できる準備はしておきたいと思い,免許を取得することにしました.ちなみに短期間の旅行者の場合は国際免許で問題ありません.

とはいえ,左ハンドルの車など乗ったこともなく,アメリカ独特の交通ルールもよく分からなかったので,お金を払って個人のドライビングトレーニングを申し込みました.

日本との違いは,右車線の走行,左ハンドルだけではありません.

・赤信号のとき,安全確認できれば右折(日本で言えば左折)可能です.このため,歩行者の時は注意が必要です.ときどき普通にぶつかりそうになるときがあります.

・踏切は,一時停止せずに突っ切ります.

・信号なしの十字路は,必ず一時停止し,その後は交差点に着いた順に進みます.右が優先とか左優先とか直進優先とかないので分かりやすいです.

・横断歩道付近の歩行者は絶対的に優先です.

他にもそれなりに違うので,もし旅行や短期間で来た場合,国際免許で問題ないのですが,時間があるなら講習をうけてから乗るのがよいと思います.

  • 運転免許

サンフランシスコの免許センターはいろいろ評判が悪いのですが,近場なのでここで受験しました.坂道が多く,人も車も多いため,実地試験が大変ということですが,ドライビングトレーニングでみっちりやったおかげで,免許は難なくクリアできました.これでいつでもドライブできます.

 

本当の免許が車では,ペラペラの紙の仮免許で運転です.先述したSSNが無い場合,運が悪いと本当の免許が来るまでに相当な時間がかかってしまうようです.実際に半年以上してもまだ届いていない先生もいらっしゃいました.

*カリフォルニア州の運転免許(本物)です

 

  • レンタカー・カーシェアリングサービス

車買うほどお金はないので,レンタカーやカーシェアリングサービスに頼ります.通常のレンタカーでも十分便利ですが(返却時の細かいチェックが全くありません!),Zipcarに代表されるカーシェアリングサービスも便利です.近くにあると,短時間だけの利用の場合,貸し出しにも返却にも時間がかからず重宝しています.

いろんな車にのれて楽しいです.

家の近くのZipcar2台.白いベンツZipCarなので借りることができますが,1時間15$です.

カローラ頼んだらカマロが来ることも.この雑な感じがアメリカン!

 

留学報告⑨ 長尾先生injection(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

Injection見学

長尾正人先生が行う各種injectionを見学しました.

金曜日の朝からに手術室で行われており,1日に多いときは10人以上行われています.内容は神経根ブロック,硬膜外ブロック,椎間関節ブロックや股関節腔内注射で,看護師さんや放射線技師さんもやることが分かっているため準備から施行,退室まで非常にスムーズにテンポよく行われていきました.

一番感じたことは,とにかく患者を痛がらせない工夫を常にされていたことです.手技を始める前に必ず声かけをされ,痛みを確認し,痛みがあるようであればその対応をしっかりされていました.神経根ブロックでも患者さんが痛みを感じることは無く,試行後,痛みが無くなり,麻痺を起こすことなく歩いて帰っていました.

セッティング,針の刺入,進め方や薬剤の入れる方向,抜く際の注意など細部まで配慮・工夫があり,大変勉強になりました.例としてSRGを.長尾先生は斜位法で行われています.痛みが出てしまう神経根への刺激を避けるべく,身長に針を進め,膜一枚の通過を感じ取って針を絶妙な位置で止めているため誰1人飛び上がるようなことはありません.針の進め方のコツも丁寧に御教授頂きました.

長尾先生いつもありがとうございます.

教科書通りの綺麗な斜位法の刺入

これでも患者さんは痛みを出していません.

右が長尾先生,左が筆者

 

つづく

整形外科若手セミナー(長幡樹)

2018年2月10日に整形外科若手セミナーが開催されました。

昨年から若手主催の若手による、若手のための会としてはじまりました。

今回はSpecial lectureとして厚生医療センターの阿部俊樹先生、秋田赤十字病院の鈴木哲哉先生による頚椎、 腰椎の診察手技の講義をしていただきました。細かい部分から、また診察室でのスムーズにみるためのテクニックなどすぐに日常診療で役立つような講義をしてもらいました。講義に続き、すぐに手技をハンズオンで練習することでより深い知識として身に付けることができたのではないかと思います。

続いて赤川・尾野・木村先生から「膝の変形解析 基本の「き」」、「脊椎の変形解析 基本の「き」」、「臨床研究ことはじめ」という内容で各分野の導入になる知識をおもしろおかしく講義をしてもらいました。3人の先生がたは大学院3年目でほぼ自分たちとは同世代で若手のはずなのに、専門的な知識をとてもわかりやすく講義をしてもらいました。

解析だけでなく、どういう時に紹介が必要かなど、外来での対応の仕方も含めて講義をしてもらいました。木村先生は「論文」という書き始めるのに少し労力がいると思っていた仕事や、「臨床研究」をいかに楽しく進めていくか、それを「論文」に繋げることでのメリット、やりがいについて講義をしてもらいました。自分の置かれている立場や、今やっていることからもとても身が引き締まるような内容でした。執筆活動、もう少し頑張ろうと思います。

最後に赤十字病院の斎藤光先生と厚生医療センターの三田基樹先生から膝蓋骨骨折、脂肪塞栓症について症例提示をしてもらいました。一般的な手技のTBWの若手の工夫や、リハビリの方法、また整形外科の合併症で注意すべき脂肪塞栓症の対応など屈託のない意見でみんなでディスカッションすることができました。

これから整形外科になる若手ドクターも、今若手としてバリバリ手術をしているドクター、大学院で少し手術から離れた我々もどの若手にとっても有意義な時間であったと思います。

講義をしてくださった先生方、また今回開催をしてくれた先生に感謝し、明日からの日常診療で応用していこうと思います。