第9回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会(村田昇平)

2018年9月27日,「第9回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会」が秋田キャッスルホテルで開催されました.

 

研究会では秋田大学の粕川雄司先生、北里大学医学部准教授、井上玄先生から特別講演をいただきました.

粕川先生からは「脊椎疾患の感染症対策と慢性疼痛の治療」 と題して,慢性腰痛症や非特異的腰痛の診断や加療について、また感染性の脊椎疾患や脊椎術後感染についてご講義をいただきました。粕川先生の豊富な臨床経験と膨大な見識から,最新のガイドライン,実際の症例までを詳細に解説していただきました.なかでも私が印象的であったのは手術部位感染(SSI)に関するシステマティックレビューについてです.ポピドンヨード灌流の是非など様々な具体的な感染対策のエビデンスについてご講義をいただき,明日からの診療に大変役立つ内容で,講演後はフロアの先生方からも多くの質問がありました.

 

井上玄先生からは「脊椎疾患に対するテリパラチドの有用性〜骨折の保存治療から成人脊柱変形手術まで〜」と題してご講演いただきました.骨粗鬆症の治療方針,椎体骨折の保存療法や手術療法,PTH製剤の具体的な使い方,成人脊椎変形などについて最新の知見をご講義いただき目から鱗の内容が盛り沢山でありました.また,北里大学で行っている同種骨移植についてもご講義いただき,実際に同種骨を使用した症例や画像などを供覧してくださいました.普段はなかなか接することのできない治療方法であり,非常にインパクトがありました.成人脊椎変形については骨切り術やinstrumentationについて,北里大学での自験例,文献を比較しながら非常に熱くご講義をいただき,先生の非常にわかりやすい話し方もあって,今までは難しくて敬遠がちであった脊椎パラメーターなどについても大変興味深く聞くことができました.学術的なことからは離れますが,講演のなかでは,秋田の金足農業高校の甲子園での活躍,竿灯祭り,秋田大学整形外科駅伝部の東日本整形学会7連覇にも触れていただき大いに盛り上がりました.

 

今回学んだことを活かして明日からの骨粗鬆症治療,PTH製剤使用についてより一層見識を深めるように努めていきたいと思います.