AO Spine travelling fellowship in London (工藤大輔)

今回、2018年9月24日から10月19日の日程で、London Bridge Hospitalで研修する機会をいただきました。お世話になった先生は、Mr Lamで、低侵襲手術(以下MIS)から脊柱変形手術まであらゆる手術をこなされていました。本邦では近年、腰椎に対して側方進入手術が増えてきているものの、まだまだ後方手術が主流と思われます。Mr Lamは、MISにこだわっており、除圧であれば円筒形レトラクターを使用し、小皮切で、固定であれば通常、腰椎前方固定術(ALIF)にO-armナビゲーション下の経皮的椎弓根スクリュー固定を行い、背筋の温存に努められていました。また本邦では、まだ一般的ではない仙腸関節障害に対する経皮的な仙腸関節固定術や、頚椎、腰椎人工椎間板置換術、小児側弯症に対するMagnetic controlled growing rodなどを見学することができました。頚椎手術は多椎間の前方固定術が多く、前後合併手術なども行っていました。

研修は手術だけでなく、外来を見学する機会もいただきました。腰痛、頚部痛を中心に、側弯症の症例なども勉強させていただきました。またイギリスの診察の雰囲気、診察の手順、英会話なども大変勉強になりました。今回、手術に入るために自分自身が実際に患者として近医を受診し、血液検査を受けたということもあり、日本との医療システムの違いなども勉強になりました。

4週間の研修期間でしたが、私が経験したことのない手術を多く勉強することができ、大変有意義なものとなりました。本研修で学んだことを今後の診療に役立てられるよう、日々邁進していきたいと思います。