「高校野球200年構想」高校野球選手の肩肘検診(村田昇平)

2020年1月12日、秋田中央高校で高校野球選手の肩肘検診が行われ、参加させていただいて来ました。

日本高等学校野球連盟は2018年に少子化などによる野球人口の減少がすすむなかで、次の100年の野球興隆の指針として、「高校野球200年構想」を発表しました。その中には野球未経験者にアプローチして野球に触れる機会を増やす「普及」、野球をする小中学生に長く野球を続けてもらう環境を整える「振興」、ケガで野球を諦めないための「ケガ予防」、選手や指導者の技術向上を目指す「育成」、以上の目標達成のための「基盤づくり」の5つの目標が盛り込まれております。今回、「高校野球200年構想」の一環として、秋田県高野連主催により高校野球選手の肩肘検診が企画され、当教室の齊藤英知先生(元秋田県高校野球強化プロジェクト委員)の指揮のもと、県内から医療スタッフが参加させていただきました。

当日は秋田県内の35校から86名もの高校球児(今回はバッテリーが対象でした)が集まってくださり、医師9名、理学療法士20名の体制で検診を行わせていただきました。全身の関節可動域などの理学所見、超音波検査、機能的運動連鎖のスクリーニングなどを行って、フィジカル状態を評価し、その場で現在の問題点や今後のトレーニング方法を選手、監督にフィードバックしました。

日々の診療で、これだけの数の高校球児の診察をできる機会はないので、自分にとっても大変勉強になりました。また高校球児たちの非常に礼儀正しい態度や、フィードバックを真摯に聞く表情からはたくさんの刺激をもらいました。

今回の検診をきっかけに、医療と野球の距離が縮まり、秋田の球児たちの故障の減少、パフォーマンスの向上や楽しく野球に取り組むことにつながっていけばと思います。既に来年の検診もご依頼をいただいたようなので、自分も是非また参加できればと思います。

最後になりますが、このようなすばらしい機会を与えてくださった、秋田県高野連の関係者の皆様には深く感謝申し上げます。