第50回日本人工関節学会に参加して(三浦隆徳)

2020年2月21日(金)~22日(土)に愛媛大学整形外科、三浦裕正教授のもと福岡で開催された第50回日本人工関節学会に参加させて頂きました。

本会は「半世紀の軌跡と未来への提言」というテーマのもと開催され、半世紀にわたり人工関節を専門とした唯一の国内学会として本邦の人工関節医療の発展に大きな役割を果たしてきた伝統ある学会であります。テーマにふさわしく、人工関節発展の軌跡の振り返りとしてのレジェンドセミナーや人工関節の歴史展示、各種シンポジウムやディスカッションなど人工関節を専門とする医療者にとって非常に興味深い内容と感じました。

同門ではASAKG、AHRGから多数の演題を発表し、当教室の取り組みを全国に発信することができたと思います。人工股関節、膝関節のほか手関節、足関節、肩関節のセッションもあり興味がありましたが、主に股関節関連の演題を聴講しました。転子下短縮骨切り併用のTHA、ステム周囲骨折や再置換時の骨欠損の対処方法、DAAにおけるrevision手術など日常診療ではなかなか得られない難治例への対応を勉強することができました。

写真は機器展示にありました、今日の人工股関節の普及に最も影響を与えたとされるCharnleyの人工股関節とその書籍になります。人工関節は先人の絶え間ない研究のもと、現在では安定した成績が得られるようになってきましたが、他の治療手段を含めた適応に対する吟味検討や、さらなる臨床成績の向上、使用インプラントや開発される新機器の検討などこれからの課題は多いと思われます。今後も治療手段の一つとして研究、手技向上に努めて、患者さんへよりよい医療を提供できるように精進して参りたいと思いました。本学会に参加する機会を頂いた島田教授を始め、AHRG、ASAKGグループの皆様、ご指導頂いた木島泰明先生に深く感謝申し上げます。