市民公開講座レポート」カテゴリーアーカイブ

整形外科市民公開講座2023(小滝優平)

2023年10月29日県総合保健センターにて整形外科市民公開講座2023が行われました.

まず,宮腰尚久准教授より「オステオサルコペニアをご存知ですか?」と題して基調講演をいただきました.加齢による骨密度の減少と筋肉量の減少,それらの相互関係が合併した状態であるオステオサルコペニアについて最新の知見に基づいてご講演頂きました.ご参加いただいた65名以上の方々の中にはメモを取りながら講演を聞く方も多くみられ,今後の日常での意識の改善や運動のモチベーションにつながったと思われます.

続いて,秋田テレビ加藤未来アナウンサーに総合司会を務めていただき,小講義として市立横手病院整形外科 大内賢太郎先生,秋田大学整形外科 尾野祐一先生,今村記念クリニック 田村康樹先生,秋田労災病院 佐藤千晶先生の4名の先生方に骨粗鬆症とロコモについてご講演頂きました.ロコトレの実践の際には実際にご参加いただいた皆様にもロコトレの一部を実践していただきました.

次に事前に頂いた皆様からのご質問にお答えし,治療する側としても皆さんがロコモ・骨粗鬆症についてどのような疑問を持っているのかを知ることができとても有意義でした.

2000年から始まった本回は,今回で第27回となります.ご参加いただいた皆様ととご協力をいただいた関係者の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます.

北秋田運動器検診の活動報告(能代厚生医療センター 塚本泰朗)

公益財団法人地域社会振興財団より令和5年度人生100年時代づくり・地域創生ソフト事業交付金をいただきまして、北秋田運動器検診事業を北秋田市医療健康課の協力のもと開始しています。この度第1回の運動器検診を8月19日に北秋田市民ふれあいプラザコムコムを会場にして開催させていただきました。

運動器の障害のため移動能力の低下をきたした状態であるロコモーティブシンドローム(通称ロコモ)は、本人が自覚する前から生じていることが多く、進行すると将来介護が必要となるリスクが高くなります。 ロコモに対する運動器の予防医学的観点からの取り組みは地域に暮らす人たちにとって非常に重要です。

検診は、北秋田市民病院の石垣先生をはじめ、関連病院リハビリテーションスタッフ、工学部巌見教授などにもお手伝いいただき、午前・午後にそれぞれ20名程の対象者に対して、ロコモ度テストに加えて、ウエアラブルセンサ(9軸慣性センサ)を用いた簡易歩行解析、理学療法士による全身の可動域や筋柔軟性のチェック、足部アライメントの評価などをさせていただきました。

また、ロコモの原因のひとつとして変形性膝関節症がありますが、今回の運動器検診の大きな特徴として高性能超音波エコーを用いた膝の関節軟骨の摩耗や半月板の逸脱や損傷の評価も行いました。

検診を受けられた方々からは非常に好評で、『病院で単純レントゲン写真をとってもらってなんともないと言われたけど、膝のことが心配ですごく楽しみにしていた』などのお声を多数いただき、運動器検診の需要そして重要性を再認識する機会となりました。 9月10月にも開催予定ですが、今後も運動器検診事業を継続し、さらに広めていけるよう活動していきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

整形外科市民公開講座2022(佐藤貴洋)

秋も深まる今日この頃2022年10月29日に整形外科市民公開講座が行われました.

この会は秋田県整形外科医会と秋田県臨床整形外科医会が主体となり,ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)を市民に認知・理解いただきながら健康な生活につなげるために毎年行われてきました.

しかし,昨今の新型コロナウイルスの蔓延から現地開催は自粛し,秋田魁新報の誌面ディスカッションの開催となっていました.今回,遂に2年ぶりの現地開催が実現しました.

テーマ「アフターコロナに向けたロコモ対策」,キャッチコピー「いくつになってもサキホコレ!」と題として80名以上の市民の方に集まって頂きました.

秋田魁新報社 代表取締役社長の佐川博之様より開会挨拶を、秋田市保健所所長の伊藤善信様より開催に関してお祝いの言葉を頂き,本会が開始されました.

まずは基調講演として宮腰尚久教授より「コロナ渦のロコモ予防」という題名でご講演頂きました.ロコモとは何か,というところから健康寿命の重要性,ロコモにならないための方法は何かなど詳細に教えて頂きました.一般の方向けの内容ではありましたが,医療者である私も有意義に拝聴させて頂きました.

そして,パネルディスカッションとして秋田テレビ八代星子アナウンサーに司会をして頂き,コーディネーターである粕川雄司先生(秋田大学)とパネリストの鈴木均先生(湯沢病院),杉村祐介先生(秋田労災病院),木下隼人先生(秋田大学),若林玲奈先生(秋田県立医療療育センター)とで対話形式によるロコモの解説が行われました.

ロコモに関して専門家から生の声が聴けることもあり,非常にわかりやすい内容となっておりました.

私はというと,ロコモ体操が絵やスライドだけだとわかりにくいこともあり,自ら壇上にあがり皆さんの前でそのロコモ体操を披露させて頂きました.後ろにもよく見えるように必死で身体を大きく動かしました.届いてくれていれば幸いです.

秋田県臨床整形外科医会会長の斎藤晴樹先生より閉会のお言葉を頂き,会が終了となりました.

県民のみなさまがいくつになっても咲き誇った人生を謳歌できるよう,我々も臨床現場だけでなくこのような活動も含め,今後も様々な方面から頑張っていきたいと思います.

2017 整形外科 市民公開講座(井上 純一)

2017年11月18日に2017市民公開講座が秋田市文化会館で開催されました。足元が悪い中、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。今年のテーマは、「健康寿命を延ばすために骨粗鬆症を知ろう!!」です。

例年どおり12時からデモンストレーションを行いました。ロコモ度テストと脊柱可動域・重心動揺・筋力測定(背筋力・下肢筋力)を実施しました。

14時からはパネルディスカッションでは、開会のご挨拶を秋田魁新報社の小笠原直樹社長、来賓のご挨拶を秋田市保健所の伊藤千鶴所長よりいただきました。総合司会を秋田テレビの石塚真人様にお願いし、はじめに島田洋一教授より「超高齢社会を生きる;運動器疾患の重要性」と題して基調講演をいただきました。骨粗鬆症の病態・問題点、秋田県の現状、予防・治療についてわかりやすく説明していただきました。

続いて東海林和弘先生と粕川雄司先生がコーディネーターとなり、パネリストとして石澤暢浩先生、佐藤毅先生、大沼信一先生、土江博幸先生、大内賢太郎先生をお招きし、パネルディスカッションを行いました。骨粗鬆症の予防に関して、食事療法や運動療法が重要という説明をいただきました。片足立ち、スクワットを会場の皆様と一緒に実践し、膝が痛い方には椅子に座りながら膝を伸ばす四頭筋訓練や雪の深い冬には大きなショッピングセンターなどでカートを押しながらウォーキングすると良いとアドバイスをいただきました。パネルディスカッション後はご参加いただいた皆様から医療相談を受け、今年の市民公開講座は閉会しました。足元が悪い中、ご参加いただいた方々、お手伝いをいただいた関係者の方々に心より感謝申し上げます。今後も市民講座を継続できるようにご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

2016 整形外科 市民公開講座 (粕川雄司)

2016年11月5日土曜日、2016整形外科市民公開講座が秋田市のさきがけホールにて多くの方々にご参加いただき開催されました。今年のテーマは、「知らないうちに骨が折れる~ぜいじゃく性骨折を正しく知ろう~」です。

例年どおり12時からデモンストレーションを行いました。骨密度測定と筋力・姿勢測定にわけ、多数の方々にご参加いただきました。時間の都合でご希望通りに検査いただけなかった方々がおり、申し訳ありませんでした。

14時からのパネルディスカッションでは、開会のご挨拶を秋田魁新報社の小笠原直樹社長、来賓のご挨拶を秋田市保健所の秋山 渉次長よりいただきました。総合司会を秋田テレビの石塚真人様にお願いし、はじめに宮腰尚久准教授より「いつのまにか骨折ってなあに?」と題した基調講演を頂きました。いつの間にか骨折が生じてしまう脆弱性骨折について、複数の部位に生じることが多く、骨粗鬆症が原因となりその予防には食事療法・運動療法・薬物治療が重要であることをお話しされました。

続いて宮腰尚久准教授と工藤 透先生がコーディネーターとなり、パネリストは渡部英敏先生、田村康樹先生、木下隼人先生、佐藤千恵先生、粕川で、ぜいじゃく性骨折についてのパネルディスカッションを行いました。これまで治療した脆弱性骨折の具体的な状況についてお話しいただき、原因として骨粗鬆症があるため検診などで骨密度を測定することが重要であること、日常生活では重い物を持つことや雪かきをすることはできるだけ避けたほうがよいことや、カルシウムやビタミンD・蛋白質などの栄養素をバランスよくとることが骨や筋肉に有用であることなどがディスカッションされました。転倒・骨折予防に有用であると言われている片足立ちとスクワットを参加いただいた方々と一緒に実践し、最後に骨粗鬆症の治療薬について解説し、骨折の予防についてみんなで考えることができたと思います。パネルディスカッション終了後には、参加いただいた方々からの医療相談を受けて市民講座を閉会しました。

 

寒さが厳しくなった当日、ご参加いただいた方々、お手伝いを頂いた関係者の方々に心より感謝申し上げます。今後も市民講座を継続できるようにご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

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2014年整形外科市民公開講座(粕川雄司)

2014年11月29日土曜日整形外科市民公開講座が、秋田魁新報社「さきがけホール」で開催されました。

今年のテーマは、「サルコぺニア(加齢性筋肉減少症)~筋肉が減るサルコぺニアを知って高齢社会を乗り切ろう~」です。開会にあたり、秋田魁新報社小笠原直樹社長と穂積 志秋田市長よりご挨拶を頂戴しました。お忙しいなか、ご挨拶いただき誠にありがとうございました。

秋田テレビ株式会社石塚真人様に総合司会をしていただき、はじめに今年のテーマである「サルコぺニア」について、松永俊樹准教授より基調講演をいただきました。少し耳慣れない言葉であるサルコぺニアについて、さらにロコモティブシンドローム(ロコモ)との関連についてわかりやすく御講演いただきました。

引き続き、渡部英敏先生と粕川雄司がコーディネーターとなり、パネルディスカッションをおこないました。パネリストは、今村記念クリニック田村康樹先生、秋田赤十字病院田澤 浩先生、中通総合病院土江博幸先生、秋田大学佐藤千恵先生、そして高橋整形外科の高橋秀彦先生です。サルコぺニアの診断や筋肉減少の特徴についてディスカッションし、その対策としてアミノ酸摂取を中心とした栄養とロコトレなどの運動が重要であることをみんなでわかりやすく解説しました。

最後に会場より質問を受け、パネルディスカッション終了後には、参加いただいた方々からの医療相談を受けて市民講座を閉会しました。

あいにくの天気のなか150名程度の方にご参加いただきました。さらに、市民講座の準備から開催にあたり非常に多くの方々のご協力を頂き、この場を借りて深く感謝申し上げます。

この市民講座は、2000年から開催され今回で第20回となりました。引き続き市民講座を開催していけるように活動したいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。