月別アーカイブ: 2023年10月

令和5年度職員バレーボール大会 (渡辺 学)

2023年10月23日に約4年ぶりとなる職員レクリエーション行事が開催されました。今年はバレーボール大会という事で医局から木村先生、佐藤先生、河原木先生と自分が参加してきました。

バレーは半月板やACL損傷、アキレス腱損傷などの怪我が多い競技であり入念な準備運動を行ったうえで試合に臨みました。18時30分から第1試合開始でしたが、開始時間に人数が足りず1回戦の1セット目は不戦敗という結果でした。しかし途中から人数がそろったため2セット目から通常通り試合を行い、見事に逆転勝利をつかみました。

決勝では河原木先生の鋭いスパイクが炸裂しポイントを重ねていきましたが、相手の巧みなカバー力を前に決めきれない展開もあり、次第にこちらのミスが目立つようになりセットを取られてしまいました。2セット目はサーブとブロックで点を重ねて相手に試合展開を作らせず取る事が出来ましたが続く3セット目も相手のチームワークに翻弄され取り切ることができませんでした。

結果は準優勝という悔しい結果でしたが、看護師さんたちと一緒にスポーツをすることで交流を深めることができました。病院での勤務は多職種連携が必須でありチームワークが大事なためバレーボールにも通ずるところがあるかと思います。今後より一層看護師さんたちを含めスタッフと協力し勤務に励んでいきたいと思います。 もちろん次回の大会では優勝できるよう練習にも励んでいきたいと思います!

第38回日本整形外科学会基礎学術集会(佐藤貴洋)

2023年10月19日,20日の2日間にわたり,日本の学術都市つくばで第38回日本整形外科学会基礎学術集会が開催されました.本学会は,基礎医学研究の演題を中心とした学会で,各大学の大学院生が多数発表をしていました.秋田大学の大学院生からは,五十嵐先生,笠間先生,原田先生,岡本先生,そして私が参加し発表しました.

私は「Akita Trainer」の演題で本学会に参加しました.筑波大学はリハビリテーションロボット「HAL」の先駆けとして知られており,私のセッションでもHALに関する演題が2つありました.これら2つの演題は,小児への使用経験についてのものでした.解析方法として,コンピュータを使用した歩行動作解析が取り入れられており,その高度な内容に感銘を受けました.

A-BONEの五十嵐先生,笠間先生,原田先生,岡本先生は,骨粗鬆症やサルコペニアに対して動物実験を用いた基礎医学らしい演題で発表されておりました.骨粗鬆症の権威である宮腰教授のもとでの研究でもあり,非常に質の高い発表でした.

今回の学会では実はもう一つ特別なイベントがありました.先日行われた日独Web conferenceにも参加されていたFrancis Kilian先生が今回の学会のために来日されておりました.秋田労災の奥山先生のお導きもあり,内輪だけのKilian先生との交流会,Clinical conferenceが行われました.秋田大学からは粕川先生と岡本先生がプレゼンテーションを行い,Kilian先生からも翌日講演予定の内容の一部をプレゼンテーションして頂きました.聞き取りやすいゆっくりとした英語で,日本とドイツでの治療における考え方の違いをより近い距離感で教えて頂きました.Kilian先生の病院は,世界中の留学生を受け入れているとのことで,今回の経験が秋田大学の海外留学の一助となることを期待しています.特に岡本先生には第1号として活躍してほしいと思っています.

今回の学会は色々な意味で新鮮なことばかりでした.本学会は大学院生ならではの会だと思うので,現在大学院生の方やこれから大学院生になる方も是非積極的に参加・発表していきましょう.

第44回秋田県リハビリテーション研究会(佐藤光)

第44回秋田県リハビリテーション研究会が秋田大学医学部付属病院で10月21日に開催されました。コロナ規制の緩和により対面での研究会の開催が可能となり、多くの先生方やコメディカルの皆様の参加があり、盛り上がりを見せました。

一般演題は医師や理学療法士・作業療法士など様々な職種から9つの演題がありました.対面の利を活かした活発な討議も行われ、非常に充実した研究会であったと思います。

特別講演は2023年4月に秋田大学大学院理学療法学講座の教授に就任された本郷道生先生から「脊柱変形のリハビリテーション-小児から高齢者まで-」という題でご講演いただきました。小児の特発性側弯症から高齢者のいわゆる腰曲がりまで、保存療法・運動療法・手術等わかりやすく、また自験例と多くのエビデンスを踏まえてお話いただきました。明日からの診療にすぐに使えることも多々あり、非常に勉強になるご講演でした。

最後に、運営・開催に携わった先生方の皆様に深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第12回秋田県股関節研究会(阿部寛道)

2023年10月14日(土)、第12回秋田県股関節研究会が秋田温泉さとみで開催されました。近年はオンラインのみでの開催となっておりましたが、久しぶりの現地(+zoomのハイブリッド)開催となりました。

秋田県股関節研究会会長 木島泰明先生よりご挨拶

まずミニレクチャーとして、市立秋田総合病院の藤井昌先生より「謎の股関節痛に潜む関節外病変の影 -あなたが選ぶシン・おはよう股関節!アンコール:グランプリ作品」と題してご講演いただきました。変形がなくても股関節の痛みを訴える患者さんの場合、何を考える必要があるか、理学所見、画像所見、超音波ガイド下ブロックの効果など効果を総合的に判断することが重要であることがよくわかり、日頃の診療で使える知識を得ることができました。

藤井昌先生

特別講演Iでは「股関節研究会でしか聞けない股関節の診方の話」というテーマのもと、前半は秋田労災病院 三浦隆徳先生より、「“大腿神経ブロック”だけではないブロック注射と効果の比較」と題してご講演いただきました。股関節手術の際の神経ブロックは、大腿神経ブロックだけではなく、最近ではPENGブロックという方法が用いられており、三浦先生が共著者として参加した、「ネットワークメタアナリシス」という手法で用いたPENGブロックの有用性の関する研究を紹介いただき、他のブロックと比べ鎮痛効果や患者満足度の優位性を示すことを提示いただきました。
後半は秋田県立医療療育センター 河野哲也先生より、「こどもの股関節疾患の診方 -他科の先生や保護者の皆様へ上手にお伝えするために-」と題してご講演いただきました。4月から療育センターに赴任された河野先生より、開排制限や歩容異常など、小児の患者さんの鑑別、診察方法を大変わかりやすく教えていただき、非常に勉強になりました。特にご家族への説明の仕方については、日常診療ですぐに実践できる、とても参考になる内容でした。

特別講演Ⅱでは静岡赤十字病院四肢関節再建センター センター長 西脇 徹先生をお招きし、「骨盤骨切り術 -股関節外科医の英知の結晶/股関節の疼痛」と題して大変貴重なご講演を賜りました。疼痛については、報酬系の効果や侵害受容刺激のメカニズムなど、アニメーションを用いながらわかりやすくご教示いただきました。また、骨盤骨切り術という大変難しい分野の海外・日本における手術方法の歴史の変遷や、実際に西脇先生がSPOを行った症例の中で、数ヶ月のうちに競技復帰している例についても提示いただき、大変感銘を受けました。“より低侵襲に、より安全に”という目的で、数十年の間に手術方法が改良されていった歴史を考えると、今後もますます発展していく分野なのだろうと思いました。

今年の秋田県股関節研究会も大変勉強になる素晴らしい会でした。
本研究会会長である木島泰明先生の開会の挨拶内で、森下耀先生、久田朱里先生、私がAkita Hip Research Groupへ加入したことについて紹介いただきました。今後、秋田県の股関節分野の発展に少しでも力になれればと思います。今後ともご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

【論文掲載報告】脊髄神経根ブロック(US vs 透視/CT)systematic review & meta-analysis(木村竜太)

脊髄神経根ブロック(US vs 透視/CT)のsystematic review & meta-analysisの論文がEuropean Spine Journalに掲載されました。

https://link.springer.com/article/10.1007/s00586-023-07968-y

超音波ガイド下(US)の神経根ブロックが一般化されてきていますが、US vs 透視/CTのRCT 8件をsystematic review & meta-analysisしたものです。

臨床成績に優位性は認めませんでしたが、安全性と時間短縮においてUSが優れているという結果でした。

頚椎は、USの有用性が最も実感できる方法だと思います。

腰椎は、まだ神経根がUSのみでは視認が難しいですが、骨性のメルクマールをもとに神経根周囲に薬剤を投与することで、臨床的には効果を得られます。

ぜひエコー下神経根ブロックを、超音波ガイド下に施行いただければと思います。

第78回秋田県整形外科医会(河原木 剛)

令和5年10月7日(土)、第78回秋田県整形外科医会が秋田県総合保健センターで開催されました。今回も現地とウェブのハイブリッド開催で、専門医取得前の医師によるResident Award Sessionと、専門医取得後の若手医師によるYoung Specialist Award Sessionで多くの演題発表がありました。最優秀演題賞は、それぞれ中通総合病院の岩渕圭一郎先生、秋田厚生医療センターの原田俊太郎先生が受賞されました。大変おめでとうございます。岩渕先生からは、手の舟状骨骨折は、骨折型に応じて適切な手術アプローチを選択することで、とても良好な治療成績が得られることを報告していただきました。大変素晴らしい術後成績で感銘を受けました。原田先生からは、従来であれば切断されていた足部の重度骨軟部感染に対し、デブリードマンとCLAPを併用することで下肢を温存できた症例について発表していただきました。CLAPの有用性のほか、CLAP使用における留意点や、デブリードマンの重要性についても改めてお話いただきました。また、他の演題も大変勉強になるものばかりでした。

特別講演1は、昭和大学横浜市北部病院 副院長/整形外科教授の川崎恵吉先生より、高齢者に多い上肢骨折の治療戦略や手術治療のピットフォールを、骨粗鬆症治療に絡めて教えていただきました。自分自身今まで触れる機会がなかった人工肘関節についてもご講演いただき、超高齢の骨接合が困難な上腕骨通顆骨折に対しては、人工肘関節置換術が有用な治療選択肢となりうることを教えていただきました。

特別講演2では、東京医科歯科大学 運動器外科学教授の古賀英之先生より、半月板損傷の外科的治療の発展についてご講演いただきました。半月板損傷の基本的な事項から、治療の変遷、最新の治療戦略について、理論を交えながら詳細に教えていただきました。まるで教科書のような、あるいはそれ以上にまとまったプレゼンテーションで、手術動画も大変分かりやすく、目から鱗が落ちるような講演でした。

総じて、今回もとても勉強になる会でした。準備、企画、運営をしていただいた木島泰明先生をはじめ、会の運営に携わっていただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。

第25回日本骨粗鬆症学会(尾野祐一)

2023年9月29日~10月1日に名古屋国際会議場で開催された第25回日本骨粗鬆症学会に参加しました。整形外科医だけでなく、内科、放射線科、産婦人科、リハビリテーション科に加え、コメディカルスタッフも多く参加しており、どの会場も多くの聴講者がいました。ランチョンセミナーでは早々に整理券が売り切れ、昼前には長蛇の列ができているのが印象的でした(私は整理券をゲットできず、会場に入れませんでしたので、仕方なく学会周辺で“ひつまぶし”を堪能(^^)/)。

秋田からも多くの参加者がおり、宮腰教授、本郷教授、粕川准教授、野坂准教授、田村先生、土江先生、木下先生、赤川先生、長幡先生、私が演題を発表しました。同門グループの堀川先生は静岡から参加されていました。

今回の学会では、優秀演題賞を土江先生が受賞されました。演題名は「非定型大腿骨骨折発症後の完全骨折再燃に影響する要因の検討」で、土江先生が長年、多施設でのデータをまとめた研究です。一つの研究テーマから、次々と新しい研究結果を生み出していく土江先生には尊敬の念が尽きません!土江先生、おめでとうございます!

また、本学会には秋田県のOLS/FLSチームのメンバーも多数参加しており、夜には市立秋田総合病院、由利組合総合病院、大曲厚生医療センターのスタッフ間での交流会が行われたようです。秋田県全体に骨粗鬆症・骨折リエゾンサービスを普及していく“All Akita Associationプロジェクト”の成功には、各病院間の交流はとても重要です。本学会をきっかけに、今後の秋田でのOLS/FLS活動のさらなる発展を願っております。

第33回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(若林玲奈)

2023年9月30日~10月1日に岩手県盛岡市のアートホテル盛岡で開催されたリウマチ地方会につきましてご報告させていただきます。秋田からは5つの演題が発表されました。すべてが一般演題「関節リウマチⅡ(外科)」の同セッションにまとめられ、このセッションはほぼ秋田の独壇場でした。杉村先生の単関節炎とRAの関連のご発表に始まり、小林先生の後期高齢者のMTX使用について、櫻場先生の生物学的製剤の検討、最後2題は連続で柏倉先生のリウマチ足に関する新しい知見のお話でした。沢山の質疑応答で活発なご発表でした。特に柏倉先生のご発表はご自身の似顔絵?(現在本格的なものを作成中とのことです)を交えたユーモラスなスライドを2題の最後に立て続けにご提示され、リウマチ足とロコモ/リウマチ外反母趾の全く新しい見方、という大変印象的な内容とともに、ご聴講の皆様の心に残るものとなったと存じます。

現地とオンラインのハイブリット開催の学会がまだ散見される中、この度はAORAメンバーの皆様にお誘いいただき現地へ赴きましたが、やはりPC前に座ってWebで拝聴するよりも、現地で参加したほうがしっかりと集中して勉強をできることを再認識できた会でした。また、集合写真に写られておりますように、ほかの病院から参加されていたコメディカルの方とご挨拶ができたことも、大きな成果でした。リウマチチーム医療として役を担ってくださっている、看護師、薬剤師、MSWの方々でした。チームへのリクルートのされ方、された時の気持ち、専門資格の取得や継続の大変さ、実際の仕事内容などを直接聞くことができ、問題点も浮かんできました。湖東病院でもぜひチームを作れたらと思い、参考にさせて頂きたいと思います。

最後に、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめAORAメンバーの先生方、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。