北秋田運動器検診の活動報告(能代厚生医療センター 塚本泰朗)

公益財団法人地域社会振興財団より令和5年度人生100年時代づくり・地域創生ソフト事業交付金をいただきまして、北秋田運動器検診事業を北秋田市医療健康課の協力のもと開始しています。この度第1回の運動器検診を8月19日に北秋田市民ふれあいプラザコムコムを会場にして開催させていただきました。

運動器の障害のため移動能力の低下をきたした状態であるロコモーティブシンドローム(通称ロコモ)は、本人が自覚する前から生じていることが多く、進行すると将来介護が必要となるリスクが高くなります。 ロコモに対する運動器の予防医学的観点からの取り組みは地域に暮らす人たちにとって非常に重要です。

検診は、北秋田市民病院の石垣先生をはじめ、関連病院リハビリテーションスタッフ、工学部巌見教授などにもお手伝いいただき、午前・午後にそれぞれ20名程の対象者に対して、ロコモ度テストに加えて、ウエアラブルセンサ(9軸慣性センサ)を用いた簡易歩行解析、理学療法士による全身の可動域や筋柔軟性のチェック、足部アライメントの評価などをさせていただきました。

また、ロコモの原因のひとつとして変形性膝関節症がありますが、今回の運動器検診の大きな特徴として高性能超音波エコーを用いた膝の関節軟骨の摩耗や半月板の逸脱や損傷の評価も行いました。

検診を受けられた方々からは非常に好評で、『病院で単純レントゲン写真をとってもらってなんともないと言われたけど、膝のことが心配ですごく楽しみにしていた』などのお声を多数いただき、運動器検診の需要そして重要性を再認識する機会となりました。 9月10月にも開催予定ですが、今後も運動器検診事業を継続し、さらに広めていけるよう活動していきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。