【論文掲載報告】単純レントゲンでの内側半月版逸脱の検出について (雄勝中央病院 村田昇平)

この度、単純レントゲンでの内側半月版逸脱の検出に関する論文がJournal Citation Reportsのインパクトファクターが3.9のジャーナルであるJournal of clinical medicine.に掲載されました。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37629311/

宮腰尚久教授、野坂光司准教授、齊藤英知講師、木島泰明講師をはじめ、ご指導やコメントをいただきました全ての先生方にこの場を借りて深謝申し上げます。

変形性膝関節症は日本国内に約2530万人いると推計されており、痛みや可動域制限などのため日常生活に支障をきたし、要介護の原因となりうる疾患です。近年、変形性膝関節症に半月板逸脱という病態が関連していることが多く報告されていいます。一般的に半月板逸脱の診断や観察にはMRIが必須とされていますが、検査枠や費用的な問題から、全ての膝痛患者さんに検査を行ったり、半月板逸脱の診断がついた後に画像的にこまめに逸脱の経過をフォローアップしたりすることは難しいという問題がありました。

今回の研究では、 一般的に普及してる放射線装置や画像処理装置で、特殊な撮影を行うことなく半月板を視認し、逸脱の有無や程度を検出する方法を開発し報告しました。

デジタルレントゲンを採用している施設であれば、今日から誰でも、すぐにでも実践可能な方法です。初診時のレントゲンで患者さんの目の前で一緒に半月板の逸脱具合を確認することができ、病態の共有や説明にも役立つと考えております。本研究は大変幸運なことに第96回日本整形外科学会学術集会の優秀口演の候補にも選んでいただき、論文作成の励みになりました。

もし本方法にご興味を持っていただき、不明な点やコツなどをお知りになりたい先生がいらっしゃいましたらご連絡いただけますと幸いです。

これからも日々少しずつ精進していければと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。