第7回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会 (鈴木真純)

 

 

11月24日に開催されました第7回秋田県骨粗鬆症PTH研究会の報告です。寒さが厳しくなりつつある平日にも関わらず、多数のご参加を頂きました。

一般演題は市立大森病院整形外科の嘉川貴之先生より『当院における骨粗鬆症治療の現状』のご発表を頂きました。高齢化が全国レベルで進んでいる秋田県ですが、大森地区での骨粗鬆症治療の現状についてのお話が中心でした。その他治療種類の内訳や、頚部骨折、椎体骨折など治療契機となった疾患別の治療内容・PTH導入率・継続率に関してもご報告頂きましたが、やはり継続率の低さが問題であると思われました。確かに、骨折などでもしなければ無症状である骨粗鬆症であるため、その治療意欲も多分に影響することもあり、今後の課題であると再確認しました。

特別講演は函館中央病院副院長 脊椎センター長 金山雅弘 先生をお招きし、『骨粗鬆症性椎体骨折と脊柱変形—病態に応じた治療戦略—』の御講演を頂きました。序盤の、脊椎手術を受ける高齢者の増加しており、最初の骨折をいかに治療するかが重要というお言葉があり正にその通りと思いました。その治療の要となるPTH使用例のお話では、癒合しなかったtype3の歯突起骨折に対してPTH使用で骨癒合を得た症例や、椎体骨折のretrospective studyで早期の骨癒合を示したデータなどをご呈示いただき、こちらも大変勉強になりました。骨粗鬆症性椎体骨折の椎体形成術の一つであるballoon kyphoplasty (BKP)に関するデータで、除痛効果が大きい反面、後彎変形には弱くその適応に注意が必要であることを改めて具体的なデータをもって知る事が出来ました。また、インストゥルメンテーション治療の際の胸腰部骨折での前方支柱再建の理論での話の中では、ほとんどの症例が前方再建単独で治療可能であるということで、後方を得意とする秋田で勉強している自分としてはおもしろい結果と思いました。変形矯正手術に関してのcriteria、矯正骨切術のテクニックと実際の手術成績のデータなど惜しみなく提示して頂きました。いずれも今後の自身の脊椎に対するモチベーションとなり大変勉強になりました。

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