第11回秋田県整形外科リウマチセミナー(佐藤千晶)

6月8日、第11回秋田県整形外科リウマチセミナーが開催されました。

一般演題では、雄勝中央病院の青沼宏先生より「高齢関節リウマチ患者に対するエタネルセプト投与継続率と有用性」として、高齢化日本第一位の秋田県において、高齢者リウマチ患者に対する生物学的製剤の実際の使用状況を臨床診療の立場より考察を交えながら講演していただきました。また、秋田労災病院の加茂啓志先生より「秋田県における関節リウマチ治療の地域間相違」として、秋田県内を中央、県南、県北に分けて様々な項目についての検討をご講演いただきました。秋田県内でのリウマチ患者の疾患活動性は地域ごとに差はなく抑えられておりますが、地域ごとに患者の併存疾患などの患者個人のバックグラウンドに偏りがあり、治療薬剤等についての検討が必要なことなど、改めてリウマチ治療の難しさを認識させられるご講演でした。

特別講演では、東京女子医科大学の整形外科・膠原病リウマチ痛風センターの猪狩勝則准教授に「RA治療における薬物治療と手術療法」についてご講演いただきました。

新興薬剤の開発により以前よりもリウマチの疾患活動性は確かに抑えられている一方で、活動性によらない関節破壊の進行する症例や、より高いQOLを目指した手指、足趾の手術が増えていることを最新の手術治療の症例を見せていただきながら興味深く拝聴することができました。また、機能障害、関節痛、外観問題を一気に解決できる手段としての手術は投薬コントロールが進んでいく今後でも重要な位置を占めることを改めて認識させていただきました。

今後とも猪狩勝則先生の御活躍をお祈りしております.この度は本当にありがとうございました。