宮城県ミニバスケットボール指導者研修会(塚本泰朗)

少し前になりますが、平成31年2月17日に宮城県仙台国際センタで開催された宮城県ミニバスケットボール指導者研修会の講師を担当させていただきました。この研究会は青葉区バスケットボール協会指導者研修会(JBA公認コーチリフレッシュ研究会)を兼ねていたため、宮城県の高校指導者まで幅広く集まり、120名程度の参加者がおられました。

 

整形外科医の立場からのコンディショニングとして、主なスポーツ傷害について整形外科的な治療だけでなく、鉄欠乏性貧血や気管支喘息、栄養障害等の内科障害に伴うコンディショニング不良についてスポーツ医学に基づいた内容の講演をさせていただきました。

また、スポーツ傷害予防として不良な動作パターン・運動機能不全への介入の重要性が近年注目されており、NBAやNFL、ヨーロッパプロサッカーリーグといった多くのプロスポーツで導入されているFunctional Movement Screen (FMS)という動作の質のスクリーニングを活用したアスリートへの介入法について紹介させていただき、後半の実技では実際にジュニアアスリート数名にモデルになっていただきFMSを用いた介入事例を提示させていただきました。

 

参加していただいた指導者の方々からも、傷害予防や再発を極力減らしつつ、個々のパフォーマンスの向上には全身の運動機能の向上が必要なことは理解していたが、どのように介入したら良いか分からなかったので勉強になりましたとの声を多数いただくことができました。

 

スポーツ選手がスポーツ傷害から復帰する場合、整形外科的治療やメディカルリハビリテーションを終えてスポーツ現場に復帰すると、アスレティックリハビリテーションやコンディショニングトレーニングを介することなくフルメニューの練習を課されることが多いと思います。

秋田大学整形外科ではFMSをスポーツ現場と医療とをつなぐ共通言語として用いることで、傷害部位の治療のみならず、傷害リスクとなる不良な動作パターンに対する評価および介入することができ、傷害予防やパフォーマンス向上に寄与できるよう今後も体制を整えて活動して行く予定です。