学会レポート」カテゴリーアーカイブ

第52回日本脊椎脊髄病学会学術集会(岡本憲人)

4月13日から15日まで、札幌コンベンションセンターで開催された第52回日本脊椎脊髄病学会学術集会に参加してきました。(獨協医科大学整形外科主任教授 種市洋会長)

Akita Spine Group(ASG)からは11題の発表があり、活発なディスカッションが繰り広げられておりました。筆者は発表がありませんでしたが、様々な発表を拝聴させていただき、非常に勉強になりました。

今後秋田からも興味深い研究を発信していけるよう頑張ります。

機器展示会場ではいろんなインプラントを見たり、AO spineブースで入会の約束をしたりと口演以外にも楽しませていただきました。

また、会期中には現地での同門会も開催されました。宮腰教授は残念ながら不在でしたが、多くの先生に参加いただき、非常に盛り上がりました。今後改めてASGとして一丸となり臨床・研究に取り組んでいきたいと感じました。

来年のJSSRに向けて、また再始動していきたいと思います。

秋田大学イリザロフハンズオンセミナー 現地(リアル)開催 (野坂光司)

2月11日,秋田大学イリザロフハンズオンセミナーを開催しました.

コロナ禍で長きにわたり,Webハンズオンセミナーが続いていましたが,久しぶりのリアル開催となりました.

宮腰尚久教授にご指示をいただき,大学本部と密に連絡を取りながら,万全の感染対策のもと,今回は県内参加者のみで行いました.

本セミナーは秋田イリザロフ法グループ(AIMG)の若きリーダー,三田基樹先生が準備から運営まで取り仕切ってくれ,会場は熱気にあふれる非常に有意義な会でした.

コロナ渦で長きにわたり開催できなかったこともあり,参加者の中にはイリザロフに触ることが初めて,という先生もおりました.三田先生や大学院生など,イリザロフ経験のある先生たちの熱い指導で初学者の若手医師たちにもとても充実した時間になったと思います.

AIMGの目標の一つに,全国からイリザロフ創外固定過疎地をなくすことを掲げています.コロナが落ち着いたら,また全国から積極的に参加いただけるよう,秋田大学整形外科のイリザロフの知識,技術をアップデートしていく努力を続けていき,我々の技術を全国に広めていきたいと思います.

土曜日のお忙しい中集まってくれた参加者のみなさん,講師をしていただいた三田先生,開催に多大なるご協力いただきました宮腰教授と関係者のみなさま,本当にありがとうございました.

第35回日本肘関節学会学術集会に参加して(村田昇平)

令和5年2月3日,4日に行われた日本肘関節学術集会に参加させていただいてきました.今回はお隣の山形で,日頃から大変お世話になっている高原政利先生が会長をお務めになられての開催でした.上腕骨外側上顆炎や肘部管症候群など外来で遭遇する頻度の多い疾患の最新の知見や,人工関節,靭帯の手術について,また再生医療の可能性のお話など,多くのことを勉強させていただきました.

秋田県からも中通総合病院の千馬誠悦先生,湯浅悠介先生,斎藤光先生が座長や演者として参加され,全国の先生たちとディスカッションを行い,会場を盛り上げていました.

学会の翌日には,テニス大会も開催され,秋田から齊藤英知先生,佐藤貴洋先生とともに私も参加させていただきました.感染対策を厳正に行っていただいた中での開催でしたが,全国の先生たちと親睦を深めることができ,貴重な経験をすることができました.齊藤英知先生はなんと大会で優勝されるなど,大活躍されており,コートを大いに沸かせていました.佐藤貴洋先生も他大学の先生たちととても楽しそうにテニスをしており,交流を深められているようでした.

多くの幸運と,日々の齊藤英知先生の(テニスの)ご指導のおかげで自分も3位に入賞させていただきました.佐藤先生は惜しくも入賞となりませんでしたが,「入賞できなかったのは,普段の練習不足であり,練習すれば,今後の活躍が期待される」と齊藤先生が熱くコメントしており,自分は奇跡的に入賞できて本当に良かったとホッとしました.

学会やテニス大会の運営にあたられた,高原政利先生,原田幹生先生,山形大学整形外科の先生たち,スタッフの方々には本当にお世話になりました.圧倒的なホスピタリティで歓迎してくださり,秋田から参加させていただいた我々も素晴らしい時間を過ごさせていただきましたが,全国の先生たちが学会や山形を満喫されたことと思います.

 今回学会参加を通じて得られた知識や経験をまた明日からの秋田での日常診療や,研究に活かしていければと思います.

第44回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会(岡本憲人)

2023年2月4日仙台市において第44回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました。本研究会は今回から秋田大学整形外科が事務局を務めています。

昨年は完全web開催でしたが、今年はハイブリッド開催となり、100名近くの参加がありました。秋田からは、宮腰尚久教授、粕川雄司先生、野坂光司先生、土江博幸先生、尾野祐一先生、笠間史仁先生、岡本が現地参加致しました。現地はサブ会場まで参加者が溢れる状態で、本研究会の勢いを強く感じました。

一般演題では、秋田労災病院の奥山幸一郎先生、秋田赤十字病院の尾野祐一先生、秋田大学の粕川雄司先生、野坂光司先生、笠間史仁先生、岡本が同門から発表致しました。本研究会は非常に質疑応答が活発であり、とても有意義な研究会となりました。また、整形外科医だけでなく、複数の科の先生が参加されているため、演題の内容も多岐にわたっており、様々な角度から骨代謝・骨粗鬆症を勉強することができました。今後の研究の参考にしたいと思います。

宮腰尚久教授はミニレクチャーを担当され、「骨粗鬆症性椎体骨折―読影のポイントと鑑別診断―」と題し、増加傾向にある骨粗鬆症性椎体骨折について講演されました。椎体骨折を診た時に考慮すべき鑑別疾患を、画像所見や臨床所見などを踏まえて解説いただき、整形外科医だけでなく、内科の先生においても非常に勉強になるご講演であったと思います。

特別講演は北海道大学大学院歯学研究院口腔健康科学分野硬組織発生生物学教室教授の網塚憲生先生より「骨形成を促進する骨粗鬆症治療薬の細胞・組織メカニズム」についてご講演いただきました。テリパラチド、アバロパラチド、ロモソズマブのそれぞれの骨に対する作用の違いなど非常に興味深く拝聴致しました。

また、一般演題基礎部門において岡本の「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおける骨格筋萎縮の経時的変化」、一般演題臨床部門においては尾野祐一先生の「閉経後骨粗鬆症患者における生体電気インピーダンス法の位相角とQOLの関係」がそれぞれ優秀演題賞を受賞致しました。本会のように歴史ある研究会で受賞できたことを非常に嬉しく思います。引き続き秋田から骨代謝に関する研究を発信できるよう研究を続けてまいります。今後ともご指導の程宜しくお願い致します。

第37回東日本手外科研究会(佐藤貴洋)

2023年1月28日にぎわい交流館AUにて秋田主催で東日本手外科研究会が開催されました.千馬会長の御発令で本会が開催され,約300名の方に参加いただきました.学会のテーマ「手外科の襷を次世代へ」ということで会長千馬先生のお言葉らしい素晴らしいテーマだと思いました.そのテーマ通りに多くの若手整形外科医(手外科医)が本会で演題を出して発表していました.AHGでも一応私と中西先生がヤングドクターとして発表しました.特に中西先生は初の学会発表とのことでした.私は業務で応援に行けませんでしたが,立派に発表し質疑応答もしっかりと応対していて素晴らしかったようでした.今回は若手の発表者にも記念品がありました.2017年卒の自分もちゃっかり頂きました.美味しそうないぶりがっこを頂いたのでチーズと合わせて食べようと思います.

本会の目玉である特別講演では,千馬先生の師匠である藤 哲先生よりご講演頂きました.藤先生は弘前大学の手外科をゼロから築き上げたレジェンドドクターで,その先生がどのように学び,どのように修練し,どのような心持ちで過ごされていたのか,その歴史を語って頂きました.駆け出しの私にとっては非常に興味深い内容で,また参考になることもたくさんありました.とりあえず新潟手の外科セミナーには複数回参加しようと思いました.(昨年オンデマンドで参加しましたが,内容が非常にボリューミーで動画を全て観ることができませんでした.藤先生も1回参加するくらいでは理解するには不十分とおっしゃっておられました.)

前日に開催された会長招宴や現地開催のスタッフ業務など,今回の学会では貴重な経験をさせて頂きました.会が恙なく終了したこと,参加された多くの先生に楽しんで頂けたこと本当にうれしく思います.初期からご尽力された千馬先生,伊藤博紀先生大変お疲れ様でした.また,本会にご協力いただいた多くの方々に感謝致します.

第33回東北脊椎外科研究会・第16回東北MISt研究会 東北MISt研究会 Best Discusser Award受賞 (笠間史仁)

 2023年1月21日に第33回東北脊椎外科研究会が仙台現地とWEBのハイブリットで開催されました。本会では秋田厚生医療センターの小林孝先生が会長を務められ、「脊柱変形治療における私の工夫」という主題でした。3年ぶりに多くの先生方が集結したオフライン会場は非常に活発な討論とご指導があり、「これこれ!これが東北脊椎だなぁ!」と感じたところです。

 本研究会では初となるミニレクチャーとして中通総合病院の鈴木哲哉先生よりPLIF手技についてのご講義がありました。秋田のPAVRECの発展や、後方手術についての若手への熱いメッセージをご講演いただきました。また秋田からは若手からベテランまで非常に多くの発表があり、東北に秋田の脊椎をアピールできた会となりました。特別講演では浜松医科大学の大和雄准教授より「成人脊柱変形手術成績向上のためのストラテジー」として浜松医大の脊椎治療の変遷についてご講演いただきました。安全に良好な矯正を得るために、継続的に調査された浜松医大の数々のデータに感服いたしました。成人脊柱変形手術は高齢で合併症が多く複数回手術が少なくないですが、安全に行うための多くのヒントを得ることができました。

 翌1月22日には第16回東北MISt研究会が同じくハイブリットで開催されました。昨今発展している内視鏡手術だけではなく、頸椎固定術などにおいても低侵襲化が図られており、各演者の先生方が取り組まれている「低侵襲化」を勉強させていただきました。特別講演では関西医科大学の石原昌幸先生の「成人脊柱変形術後合併症を克服する!!」として関西医科大学の豊富な成人脊柱変形手術の経験と、合併症対策の工夫についてのご講演を拝聴いたしました。最適なアライメントを獲得するための工夫と新しいテンプレート・プリベンディングロッドの開発など、非常に刺激的なご講演でした。本会では会を盛り上げた質問者にBest Discusser Awardが与えられ、私笠間が受賞させていただきました。沢山質問させていただき勉強となっただけでなく賞までいただけて非常に嬉しいです。目録は妻の洋服代に消えてしまいましたが(笑)。

来年は現地のみの開催で、恒例の前夜祭も開催されるようです。来年も秋田から多くの演題発表を行い、秋田の脊椎をアピールできるように頑張りたいと思います。

第57回 日本脊髄障害医学会(佐藤貴洋)

2022年11月17日,18日の2日間,パシフィコ横浜にて第57回日本脊髄障害医学会が開催されました.本会は長らく理事長を務められていた島田洋一名誉教授が理事長の任を降りられるということで私たちにとってはメモリアルな会となりました.

初日学会最初の特別講演で我らが島田洋一名誉教授がご講演されました.座長で本学会の会長でもある渡辺雅彦先生よりご紹介頂き島田名誉教授の講演が始まりました.「本会の目玉講演」,「長きにわたり理事長に就任されて来られ,我々を牽引して下さった」と渡辺先生からご紹介頂き,勝手ながら誇らしい気持ちで拝聴しました.「日本脊髄障害医学会の最新トピックスと将来展望」というテーマでのご講演でしたが,その内容は日本脊髄障害医学会の集大成そのものでした.脊髄障害医学会の歴史から,脊髄障害医学会に関連する様々な分野のエキスパートの先生方が出演され,それぞれの分野のトピックスが一つに集まった非常にボリュームのある講演内容でした.本学会は各科に跨る範囲を有しており,単科のみでは完結しません.そういう意味で多くの人に支えられ,また多くの人を導いてきた島田名誉教授の器の大きさを感じる素晴らしい講演でした.島田名誉教授が教授時代に尽力されていたロボットリハビリテーションに関しても講演頂き,改めて今自分が研究できているのは島田名誉教授のおかげだと感じました.

現在,ステミラック®注をはじめ脊髄再生医療が盛んに研究されています.その中で新理事長に就任された中村雅也先生の特別講演では,脊髄再生医療とリハビリテーションに関して熱く語られていたことが非常に印象的でした.慢性期の完全脊髄損傷を治療するという夢のような話を現実するためには,iPS細胞のような再生医療の技術のみでは不十分であり,リハビリテーションを組み合わせることが必要不可欠となることを示しておりました.脊髄損傷のリハビリテーションを研究している私にとっては本当にありがたい言葉であり,今後も研究を進めていくモチベーションにつながりました.

今回は脊椎・脊髄外科領域の演題が多い会とはなっておりましたが,自分の研究にも繋がる実りのある学会でした.いつか自分の研究している「Akita Trainer」が脊髄損傷後の方々に使ってもらえる日を夢見て今後も研究を進めていきたいと思います.

第37回日本整形外科学会基礎学術集会(五十嵐駿)

2022年10月13日・14日の2日間、第37回日本整形外科学会基礎学術総会に参加・発表して参りました。本学会は宮崎大学医学部整形外科の帖佐悦男教授会長の元、「運動器基礎研究のイノベーション–継承と革新–」をテーマとし、シーガイアコンベンションセンターにて開催されました。

秋田県からは宮腰尚久教授、粕川雄司准教授、野坂光司講師、木島泰明先生、三浦隆徳先生、原田俊太郎先生、笠間史仁先生、私の8人が参加し、それぞれが自らの臨床・基礎研究について発表し、活発な討議を行いました。

現地参加の人数も多く、整形外科関連の学会活動もコロナ禍以前の活発さへ戻ってきている印象でした。また、動画のみでの参加や録音での現地発表など、以前にはなかった学会参加の仕方も良い形で残っており、多様性のある新しい学会の形を実感しました。

自分と原田先生が発表した骨粗鬆症基礎のセッションでは、慈恵医大の斎藤充教授から貴重なご質問やご指摘をいくつか頂きました。骨代謝領域で世界的に著名な先生にご指導頂く事ができ大変貴重な機会となりました。

また、夜は有志で集い宮崎のグルメを満喫しました。宮崎は地鶏やマンゴー、チキン南蛮などで有名ですが、最近は餃子消費量が国内トップクラスであることが注目されており、餃子も美味しく頂きました。〆にはパフェや肉巻きおにぎり、冷汁やうどんなどとバリエーションに富んでおり、迷いながらもマンゴーパフェを選択し大正解でした。

今回の学会も非常に充実したものとなりました.学会に参加して得た知識・経験を礎にさらに精進して参りたいと思います。今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

東日本整形災害外科学会(岡本憲人)

9月16日から17日にかけて第71回東日本整形災害外科学会がグランドプリンスホテル高輪を会場に開催されました。一般演題はweb登壇、主題やシンポジウム、アウォードセッションは現地登壇という形式で行われ、秋田大学からも多くの先生がご参加されており、首下がり・腰曲がり治療の最前線というシンポジウムでは宮腰尚久教授が座長を務められました。また先日入局したばかりの大曲厚生医療センターの東條元旗先生、長岡佑樹先生も一般演題で発表されており、今後ますますの活躍が期待されます。

筆者はケースシリーズアウォードで現地参加して参りました。同年代の先生方の発表を拝聴し非常に刺激となりました。今後の研究・臨床に活かしていきたいと思います。

来年は北海道旭川市での開催が予定されております。現地参加できるよう毎日の診療に取り組んでいきたいと思います。

第10回 JASA(笠間史仁)

2022年8月6~7日に横浜で開催された第10回JASA(Japan Association of Spine surgeons with Ambition)に工藤大輔先生と笠間が参加して参りました。

本会は10年前に当時30~40歳代の若きリーダーであった全国6名の先生方が設立し、高いマインドを持った「尖った」会として発展してきたと伺いました。50歳で本会からは卒業をするユニークな会であり、今年度より秋田大学からは工藤先生が主メンバーとなられました。「Ambition」を持った全国の若手・中堅脊椎外科医の発表と、極めて教育的で活発なディスカッションに強く刺激を受けました。JASAにおいては多施設共同研究も行われ、1500例の高齢者頚髄損傷をまとめた報告など貴重な発表を数多く拝聴することができました。

特別講演では、北里大学の高相晶士先生より脊柱変形・側弯症治療の歴史、「薔薇」の漢字の覚え方からポルシェはなぜ後輪駆動なのかまでご教示いただき非常に勉強になりました。

 本会で得た刺激を、秋田に戻っても燃やし続け、いずれ本会で発表できるように頑張りたいと思います。