イギリス留学記 ~その7~ (工藤大輔)

ここ最近も側弯手術を中心に勉強させていただいた。Consultantの先生により、テクニックの違いがあり面白い。どの先生もスクリュー刺入はフリーハンドで、大きな合併症はもちろんないが、プロービングの際の逸脱や、プローブがうまく進まないといったことはそれなりの頻度である印象だった。グレビット先生は主にDepuy SynthesのUniversal Spine System (USS)を使用されているが、腰椎の刺入から始め、スクリューについたガイドピンが順に並んでいくので椎体の回旋が明瞭となり、プロービングが困難な際もピンが指標になるので非常に有用と思われた。またプローブが内外側に外れた際も、角度をつけてハンマーで叩き込むなど逸脱したときの対処も難なくこなされ、さすがと思われた。先日は約130°の固い胸椎側弯の症例で、右開胸での6椎間の前方解離が行われた。Halo ringによる牽引を行い、後方手術はこれからであるが、どのように矯正されるのか興味深い。

渡英してまもなく英語の勉強もしたいと思い、英会話教室を探してみたが、日程がなかなか合わないのと値段もそれなりに高いので家庭教師を探してみた。何人かの先生をインターネットで見つけることができたが、そのうち日本語も話せるという先生がいたのでお願いし、週1回レッスンを受けている。とにかく明るい先生で日本での英語教育のご経験も豊富とのことで毎回楽しく勉強している。家まで来てくれるので、たまに気が乗らない日でも強制的に勉強できるので、そういった点でも家庭教師を頼んで良かったと思った。また英語の発音もとても分かりやすい。先生曰く、ノッティンガムの発音は少し分かりにくいとのこと。イギリス英語とアメリカ英語の違いも教えてもらったが、2ヵ月ちょっと暮らした感じでは特にアメリカ英語だから通じないということはなく、むしろ日本語のカタカナ英語に惑わされ、通じないことが多い。前にイタリアから来た先生と頚椎椎弓形成術の話になり、何を使って骨を切るか聞かれた際、drillが通じなかったのが悲しかった。

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ノッティンガム中心部、Old market square