第8回秋田県骨代謝エビデンスセミナー    木村竜太

8月25日、第8回秋田県骨代謝エビデンスセミナーが行われました。

まず教育講演として、秋田大学本郷道生講師より「骨粗鬆症性脊椎障害に対する運動療法」をお話しいただきました。骨粗鬆症に対しては薬物療法が第一選択となりますが、運動療法のエビデンスも増えてきており、RCTのメタアナリシスでも骨密度に対して有効であることがわかってきました。それを踏まえ、メイヨークリニックご留学時から取り組まれている背筋運動を中心に実際の効果をご説明いただきました。運動療法は様々な疾病に対する予防、治療効果も近年明らかになってきていることから、ぜひ骨粗鬆所診療にも活用していきたいです。

 

 

特別講演は東京大学医学部附属病院22世紀医療センター関節疾患総合研究講座特任准教授の吉村典子先生から「ロコモとフレイル:ROADスタディからみた要介護原因疾患の疫学」と題してお話しいただきました。運動器のコホートとして最大級のスタディですが、その結果から導き出された変形性関節症の年齢ごとの有病率や、発症のリスク因子などは、日常診療で感じていることに裏付けをいただくことができました。また、一般住民の方を対象としたコホートスタディを行うには、行政を含めた地域の方との協力が重要になるということで(一人でも力強いサポートをしていただける地元の方がいると、一気に研究が進むこともあるそうです)、ぜひ秋田ならでは、地域密着型の研究を行えるようにしたいと思います。

 

骨代謝