留学報告⑪ ラグーナホンダホスピタル(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.

 

今回はLaguna honda hospital見学について

2018年1月22日から25日まで,長尾正人先生の御高配で,ラグーナホンダホスピタルという病院を見学させて頂きました.創設150年になる非常に歴史のある病院です.

神様のホテルー奇跡の病院で過ごした20年間」という本の舞台がこのラグーナホンダホスピタルの旧病院だそうです.また,「States of Grace」というドキュメンタリー映画の主人公であるグレース医師が勤務されている病院です.詳細はリンク先を御参照下さい.

もともとはゴールドラッシュ時代の開拓者や炭坑夫のための救貧院として機能していた施設です.施設の老朽化のため,閉鎖の可能性もあったようですが,住民投票により存続が決定し,2010年頃に現在の新病棟が建設され今に至っています.

旧病棟は1部屋10数人収容し,カーテンで仕切られるような昔ながらの施設で,最大1000床以上あったトのことですが,現在の新病棟は760床になったそうです.旧病院時代から勤務されている,今回お世話になったLisa Pascual先生に苦労話を伺いました.

敷地は広大で,62エーカー(東京ドーム5.3個分)あり,敷地内には旧病棟は現在使用されていない部分も昔の雰囲気のまま取り壊されずに残されています.

760床のうち, Acute care unit(集中リハ)約20床,Skilled nurse facility(日本でいう慢性期?あまり手のかからない患者さん)約20床の合計約40床程度があるようです.

医師は常勤2人,非常勤1人のPhysiatrist (日本でいうリハビリテーション医ですが,少し違う気がします.詳細は後日報告致します),PT,OT,STは合わせて30人程度で規模にしては多くない印象です.ここもブログに記載したZSFGHと同様公立病院ですので,保険のない患者さんやmedicareと呼ばれる年金生活の患者さんが対象になっています.病院の成り立ちからして富裕層の病院ではありません.しかし施設は非常に整っており,Therapistから非常に人気のある病院と伺いました.

施設の特徴として,いろいろなセラピーが行われており,アート,ミュージック,瞑想,更には施設内に動物園や植物園もあり患者さんを癒やしています.

動物園,時々病棟にも彼らが登場します.

 

リハビリテーション部門では基本施設はもとより各種トレーニングマシン,大小2つのプールも完備されています.自宅・社会生活復帰のための擬似的生活環境施設もあり,非常に充実している印象でした.サンフランシスコ近郊でここまで充実しているのはここだけとのことです.

レール,階段,バスケットゴール

キッチン.実際に料理をすることもあるそうです.隣にはトイレやお風呂の訓練施設も.

プール

リフト付きの部屋

Lisa Pascual先生と

Nancy Fung先生と