第4回秋田大学イリザロフケアセミナー(野坂光司)

第4回秋田大学イリザロフケアセミナーを9月29日,秋田大学本道記念講堂で開催いたしました.

島田洋一教授のご発案で始まったこのセミナーも早いもので第4回を迎えました.

秋田イリザロフ法グループの最大の特徴は,何と言っても,退院支援多職種連携,『チームイリザロフ』の集結したパワーです.

特に今回はイリザロフ創外固定に関わる病院から,看護師さんにシンポジストとして講演いただき,それぞれの病院で行われているイリザロフケアについて深く話し合いました.

参加者は88名,いつも全国各地から参加いただいておりますが,今回は大阪掖済会病院 副院長で,昨年の日本マイクロサージェリー学会の会長をつとめられた,五谷寛之先生はじめ,6名の方においでいただきました.また,福島や岐阜の先生も参加されました.本当にありがとうございました.我々は『イリザロフで大切なことは全職種によるトータルケアである』ということをこれまで強調してきましたので,今回も秋田イリザロフ法グループの核心部分をお伝えできたと思います.

秋田大学医学部附属病院 整形外科病棟 澁谷浩子師長,門間りつ子看護師を中心に,チームイリザロフスタッフが手作りで準備,運営を行い,講演の質疑応答,ディスカッションも大変に盛り上がりました.

イリザロフ創外固定の管理は看護師さんが中心である特殊性を持ちます.秋田大学医学部附属病院イリザロフチームは全国トップレベルの管理能力を持っていることは全国的にも認知されております.また,今回もイリザロフ歩行を科学する渡邊基起先生のご講演は印象的でした.当院イリザロフチームがどのように感染ゼロと早期退院を達成しているのか,その極意がお伝えできたと思います.

現在,全国各地から難治症例を紹介いただき,病棟は年々厳しい症例が増えておりますが,チームイリザロフのイリザロフ創外固定患者へのあふれる愛情により,治療が進んでいます.患者への愛情なくしてイリザロフ創外固定の管理に成功はないと思います.

全国各地で患者さんファーストのイリザロフケアが行われることを願ってやみません.