イギリス留学記 ~その4~ (工藤大輔)

英国へ留学し、約2週経った。こちらに来てから日中ずっと晴れていたのは2日くらいだろうか。毎日数時間おきに雨が降ったり、やんだりしている。年間降水量は東京より少ないようであるが、毎日しとしと降っている感じ。感覚としては秋田より天気が悪い気がする。写真は奇跡的に終日晴れていた週末の宿舎の裏のあたりで、シティホスピタルの敷地内で撮影したもの。

写真6 先日テレビが欲しくなり、近くのホームセンターに買いに行った。英国でテレビを見るためにはTV licenceなるものを購入しないと見られないので(厳密には見られるが、ちゃんとお金を払わずにこっそり見ると罰金を請求される)、さっそくOnlineで購入した。しかし、残念ながら宿舎の電波が弱いためか?見られなかった。ブースターをつなげば映るかもしれなかったが、あいにくどこに売っているのか分からないし、日本の家電量販店のような店も近くにはない。仕方なく、届くか不安であったがAmazon.ukで注文してみた。結果は・・・ちゃんと届いたが、玄関先に荷物が置かれていた。

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もちろん受け取りのサインもなし。事前にメールが来ていつ届くとか、不在時の対応(玄関先に置いてもらう、ガレージに置いてもらうなどいくつか選択できる)が記載されていたのだが、予定より早く届き、しかも不在時の対応を選択する前に玄関先にそっと置かれていた。たぶん高価なものはamazon.ukで頼まないほうが無難かもしれない。幸いテレビは見ることができた。イギリスではほとんどの番組が英語の字幕付きで見られるのだが、逆に字幕がないと英語が速すぎてさっぱり聞き取れない。でも字幕を見ながらだとけっこうリスニングの勉強になることに気付いた。朝のカンファレンスは骨粗鬆症性を含む椎体骨折(何となく、階段からの転落症例が多いような気がする)、と脊椎転移が圧倒的に多い。骨粗鬆症性椎体骨折ではほぼルーチンに多発性骨髄腫のスクリーニングを行っているようだ。また脊椎転移では不安定性がない場合にはVertebroplasty (cement augmentation)も積極的に行っているようだった。

今週見学させていただいた手術は全部側弯であった。並列で別の手術が行われていることもあるが、側弯の手術がある日は側弯を希望している。今週はグレビット先生のAISの手術の他、メディアン先生のEOSに対するGrowing rod法の手術を見せていただいた。印象はAmazing!の一言に尽きる。スクリューは凹側凸側全椎体フリーハンドで、あっという間に設置し(四肢の骨折の手術より早いかもしれない)、矯正ももちろんすばらしかった。個人情報なので、詳しいことはここに書けないが術式としてはShilla法をmodifyした感じの手術であった。通常Growing rod法では全部展開しないが、本法では全部展開しており、フェローの先生に聞いたらSemi Growing rodと言っていた。またFinal fusionの手術もしないと言っていた。メディアン先生は閉創前に退室されてしまい、あまり質問できなかったので、今度いろいろ聞いてみたいと思う(写真:病院の正面)。

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