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第11回Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA) (岡本憲人)

8月5-6日に京都市のリーガロイヤルホテル京都で開催された第11回Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA)に、工藤大輔先生、尾野祐一先生、岡本の3名が参加して参りました。

本学会は50歳以下の「Ambition」を持った脊椎外科医が激論を交わす、非常にユニークな会です。本会の醍醐味はDiscussionにあり、シンポジウム形式で4〜5名の演者が発表し終えると、会場に準備されたマイクに大人数の質問者が列を作り、五月雨のように質問をぶつけまくる、初めて参加した私にとっては少し異様な光景でした。

秋田大学からは尾野祐一先生が「神経症状を呈した骨粗鬆症性椎体骨折に対する前方支柱再建術〜前後合併手術と後方単独手術の比較〜」という演題名でご発表されました。前方手術と秋田大学が得意とするPAVRECを比較した、秋田大学らしい演題で、フロアからも尾野先生へ多くの質問が飛び交っていました。

特別講演では当番世話人である海渡貴司先生の恩師である、米延策雄先生と山本利美雄先生から、脊椎外科医としての歩みやPLIFの始まり、そして今日に至るまでの歴史についてお話を伺いました。非常に興味深く拝聴致しました。

2日目にはメーカーセッションも設けられ、非常に斬新な印象を受けました。

若輩者の私にとって、本会は刺激を受けるには十分すぎました。Ambitionを持って脊椎外科の発展に貢献できるよう精進したいと思います。


第41回日本骨代謝学会学術集会(岡本憲人)

7月27日から29日に第41回日本骨代謝学会学術集会が開催されました。

会場は東京都の都市センターホテルでした。連日報道されている通り、災害級の暑さであり、あまりの暑さに蜃気楼が見えるかと思いました。

当教室からは宮腰教授、粕川准教授、大屋先生と岡本が参加致しました。

現地で合流した大屋先生は、冷感マスク、冷感タオルにサングラスと暑さ対策万全の状態で登場され、大屋先生の石橋を叩いて渡る慎重な性格が遺憾無く発揮されておりました。

大屋先生は一般口演で「腎癌局所骨転移モデルに対するアクリジンオレンジとゾレドロン酸の効果」について発表されました。本学会は基礎系の先生からの発表も多い中、大屋先生の発表に対してはたくさんの質問が飛び交い、さらに大屋先生の回答も非常に流暢であり、同僚ながら感服致しました。また、宮腰教授からも大絶賛をいただいておりました。流石です!

粕川准教授と岡本はポスターでの発表でした。岡本は「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおける骨格筋萎縮の特徴」について発表させていただきました。基礎の先生から内容について質問いただき、改めて考えさせられるところが多くありました。今後に生かしていきたいと思います。

学会の合間にはささやかですが、会場近くの居酒屋で同門会を開催し、みんなで食事を楽しみました。今回のお店は、昼は蕎麦屋、夜は蕎麦居酒屋という形態のお店でしたが、宮腰教授は蕎麦がお好きとのことで、蕎麦談義に花を咲かせながら江戸の蕎麦を堪能いたしました。

来年は沖縄開催とのことです。基礎と臨床を両立できるように来年も演題採択を目指して頑張りたいと思います。

第49回日本骨折治療学会学術集会(三田基樹)

2023/6/29から7/1まで静岡で第49回日本骨折治療学会学術集会が開催されましたのでご報告いたします。当教室からは、ハンズオンセミナー講師やPilon骨折のシンポジストを担当されていました野坂光司准教授を筆頭に、岩本洋輔先生・長幡樹先生・湯浅悠介先生・笠間史仁先生・阿部寛道先生・中西真奈美先生・森下耀先生・長岡佑樹先生・東條元旗先生と私三田基樹で参加して参りました。

本学会はあらゆる骨折に対する最新のディスカッションが繰り広げられるため、骨折治療に関する知識のアップデートが出来る最高の学会です。

「Pilon骨折のアプローチやplatingの考え方」「脛骨高原骨折後外側骨片の視認・整復方法」「踵骨骨折の基本からインプラント選択」「寛骨臼骨折前方アプローチの特徴とピトフォール」「脆弱性骨盤輪骨折の固定理論」「不安定型骨盤輪骨折の不安定性評価と固定の考え方」など、近年のトピックスがふんだんに盛り込まれておりました。私自身日々の疑問を解決出来て、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。

そして今回特筆すべきは、整形外科を考えてくれている研修医の先生が3人も参加してくれた事だと思います。中通総合病院から間杉健輔先生・小紫友也先生、由利組合総合病院から白崎陽一先生が参加して下さいました。皆さん非常に熱意あふれており、人柄も素晴らしく、是非将来一緒に働きたい先生方でした。アテンドして下さいました長幡樹先生・湯浅悠介先生・笠間史仁先生初め、日々研修医や学生の勧誘を頂いております皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

私自身は若手セッション「真剣勝負!?骨折プロレス」に登壇し、幸い会長特別賞を頂く事が出来ました。このセッションは転子下骨折や開放骨折のエビデンスに基づいた治療理論を、寸劇のように面白おかしく、でも真面目に議論するものでした。貴重な機会を頂けた事、そしてこのセッションを通じで貴重な出会いに恵まれた事を心より嬉しく思います。これからも日々知識をアップデートし、秋田県の外傷治療に貢献して参りたいと思います。

最後になりますが、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめ、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第56回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会(笠間史仁)

2023年7月13~14日に第56回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会が新宿で開催され、当教室からは永澤講師、土江講師、雄勝中央病院の村田先生、笠間が参加しました。会場は新宿駅から地下道で直通の京王プラザホテルでアクセス抜群でしたが、気温30度超えで地下道は蒸し暑く、一足早く夏を感じました(秋田県民にとっては暑すぎました)。

私は本学会に初めて参加させていただきましたが、骨軟部腫瘍診療の難しさを少し垣間見ることができました。発表に対する討議は全体的に温かいご指導が多いと感じ、若手でも発表がしやすい学会のように感じました。また脊椎転移に関する講演を中心に拝聴いたしましたが、腫瘍整形外科医目線からの発表は脊椎関連学会の発表とは少し異なる印象を持ち、私にとって非常に刺激になる学会でした。

本学会で学んだことを日常診療に活かし精進したいと思います。

第60回日本リハビリテーション医学会学術集会(佐藤貴洋)

6月29日から7月2日の期間で日本リハビリテーション医学会学術集会が博多にて開催されました。梅雨明けまっしぐらの九州ということで、みんなクールビズでの参加でした。私はAMAGですが、実は日本リハの現地参加は初めてでした。会場は医師や療法士、看護師など多職種にわたり非常に新鮮でした。

私の目的は発表はもちろんのことですが、リハビリテーションロボットの体験です。トヨタのWelwalkを体験したのですが、そのスペックの高さに圧倒されました。また、逆にAkita Trainerの今後の伸びしろにも気付くこともできました。

今度は日本リハ秋季大会にも参加予定です。そこでは、Akita Trainerの演題をもって是非Akita Trainerの名前を全国に発信したいと思います。

第13回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)(木村竜太)

2023年6月23日、24日に仙台国際センターで、小澤浩司会長(東北医科薬科大学整形外科教授)のもと、第13回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)が開催されました。

秋田からは工藤大輔先生、笠間史仁先生、木村、そして阿部栄二先生が参加されました。

定年退職から何年も経った今も、現役で知識のアップデートに勤しんでいらっしゃる阿部先生のお姿は、心より敬服いたします。

「我々がやっていないことにどんどん挑戦しろ」と激励のお言葉を頂戴しました。

この言葉をもとにFESSやBES、all PPSなど積極的にMISTを取り入れていきたいと思います。

このMIST学会は、学会らしくない学会、という雰囲気が好きです。

今回も、笠間史夫先生(笠間史仁先生のお父様)のご講演「坐骨神経痛治療:温故知新〜HippocratesからLoveまで〜」では、教科書レベルでは聞けない歴史の流れを知ることができました。

本音を語る、として完璧にはいかなかった症例をご提示いただきながら改善点をご説明いただけるセミナーがありました。質疑応答では、「このような症例から学んだことを共有することがとても重要」というディスカッションになり、改めて「学会」という場の価値を考える機会となりました。

来年は、倉敷市での開催となります。

秋田からも多くの先生方と参加できるように精進してまいります。

第120回東北整災 野球大会(浅香康人)

6月9日~10日に行われた第120回東北整形災害外科学会において、3年ぶりに野球大会が開催されました。新型コロナウイルスの世界的な蔓延によりスポーツ活動が制限され、各学会でもスポーツ大会が中止を余儀なくされてきました。今回の野球大会開催の連絡を受け、久々に仲間たちと顔を合わせてプレーができることを心から喜びました。

村田選手がくじを引き、一回戦の相手は岩手医科大学に決定しました。

しかし初日はあいにくの大雨。試合は翌日に持ち越しとなります。グラウンドの状態が危ぶまれましたが、翌日にはプレーできるまでにコンディションは回復しました。

3年ぶりの試合に気合を入れてJA福島ビルグラウンドに集結するデーモンズメンバー。

今回のメンバーを紹介します。

監督 宮腰教授

1番 サード 杉村先生

2番 ピッチャー 大内先生

3番 センター 東条先生

4番 キャッチャー 村田先生

5番 ショート 阿部先生

6番 ライト 本郷先生

7番 レフト 関先生

8番 セカンド 千田先生

9番 ファースト 佐藤先生

控え 河野先生 木村先生 浅香

秋田の先攻で試合開始。見どころをダイジェストで書きます。相手の先発は及川先生。大内先生の後輩、盛岡一高野球部出身の強投手です。凄まじい投球に秋田打線は苦しめられます。

1回の表には満塁のピンチを迎えましたが、大内先生が冷静なピッチングで無失点に抑えました。今回のデーモンズは守備が光るシーンが多かったように思います。外野陣はフライを落とすことなく全て確実にキャッチし、ファーストの佐藤先生は長い手足を存分に活かしアウトを量産します。

2回の裏にスリーランを浴び、一気に差が開きました。諦めずに攻撃し、時折ランナーを出すも繋げることは難しく、最終6回に1点を追加されてゲームセット。結果としては0-4で敗れてしまいましたが、一つの場所に集まって声を出し合いながら一つのことをする、というコロナ禍で忘れかけていた楽しさを思い出すことができました。

野球はド素人の私でしたが、1打席だけ代打でバッターボックスに立たせていただきました。しかしバッティングセンターで80キロの球しか打ったことがない私にとって元高校球児の剛速球はあまりに速く、かすりもせず即ベンチに戻りました。我ながら外見だけは助っ人外国人さながらでしたが、完全に見掛け倒しでした。

東条先生が加わってくれたことで、秋田大学の戦力は大幅に増加しました。来年こそは勝って日整会への切符を手にしたいですね。

ご参加いただきました先生方、応援してくださった先生方に感謝申し上げます。

嵯峨聖矢君(医学科6年)が学生セッションアワード受賞&秋田赤十字病院の長岡佑樹先生がケースレポートアワード受賞 第120回東北整形災害外科学会(富永健太)

2023年6月9〜10日に第120回東北整形災害外科学会(福島県立医科大学教授 松本嘉寛会長) がコラッセふくしまで開催されました。

久しぶりの完全現地開催となり他大学の先生と直接顔を合わせて熱いディスカッションができ大盛況の会となりました。

当教室からも数多くの演題が採択され各分野で秋田大学の勢いを見せることができたのではないかと思います。

なかでも医学科6年生の嵯峨聖矢君が「コロナ禍における成長期アスリートの特徴とセルフチェックアプリケーションの開発」という演題で学生セッションアワードを、

秋田赤十字病院の長岡佑樹先生が「成人期成長ホルモン分泌不全症による偽関節の一例」でケースレポートアワードを受賞されました。長岡佑樹先生は秋田県整形外科医会に引き続き2連続受賞の快挙です。

嵯峨君は初めての学会発表、長岡先生は整形外科1年目ですが両名ともまるでベテランのような完璧な発表、完璧な質疑応答で文句なしの受賞でした。

宮腰教授をはじめ同門の先生方のご指導のおかげでこのような賞をいただくことができたと思います。この場をお借りして感謝申し上げます。

来年の東北整災でもまた多数の受賞者を輩出できるように精進してまいります。

今後ともご指導よろしくお願いいたします。

第67回日本リウマチ学会総会・学術集会 (杉村祐介)

2023年4月24~26日に、第67回日本リウマチ学会総会・学術集会が福岡市で開催されました。

今回AORAからは、柏倉剛先生のシンポジウム「超高齢化県における整形外科医によるリウマチ診療」をはじめ、口演では小林志先生の「高齢関節リウマチ患者の機能障害に関連する因子の検討」、ポスターでは櫻場乾先生の「当科における炎症性腰痛の治療成績」、相澤俊朗先生の「当科でのリウマチ性多発筋痛症の治療成績」、青沼宏先生の「AORA registryでの高齢発症関節リウマチにおける疾患活動性に影響する併存症の検討」、杉村祐介先生の「関節リウマチ患者の筋量と治療開始時期の関係」の演題を発表してきました。

またランチョンセミナーでは宮腰尚久教授から「骨粗鬆症の病態と鑑別疾患-画像所見と骨軟化症診断のポイント-」をご講演頂きました。椎体骨折の画像所見の鑑別に関して、悪性腫瘍との鑑別の重要性について、また骨軟化症診断のポイントとして、血清リン濃度、FGF23の測定の必要性についてお話頂きました。稀だが重要な腫瘍性骨軟化症の症例提示もあり、とても勉強になりました。

AORAから高齢者の演題を多く発表しましたが、学会全体を見ても高齢者のリウマチ治療についての難しさが現在の課題になっていると感じました。また治療困難な関節リウマチ(D2TRA)についての話題も多く、疾患活動性や合併症、高齢、金銭面、服薬アドヒアランスなど多くの因子が要因として挙げられていました。

また学会初日の夜は、宮腰教授、石澤先生にもご参加頂き、みんなで博多名物のもつ鍋を食べて福岡のグルメを堪能しました。

コロナ禍でここ3年はハイブリッド開催でしたが、今回は現地開催に戻り久々に現地学会に参加したことで、新たな研究課題も見つかりモチベーションの向上につながったと思います。今後も活動を発展させられるよう頑張りたいと思います。

最後に、いつもご指導頂いております宮腰尚久教授をはじめ、学会中の業務を代行してくださいました先生方に感謝いたします。

第66回日本手外科学会学術集会(佐藤貴洋)

2023年4月20日~21日で日本手外科学会(通称 日手会)が開催されました.会場は日本の中心地新宿でした.

本学会では積極的に刺激を得ようとハンズオンへ参加しました.

手の造形ハンズオンでは指イリザロフを用いたハンズオンレクチャーがありました.残念ながら定員漏れをしたため外から見学という形になってしまいがしたが,たまたま居合わせた湯浅先生がハンズオンの受講者だったので先輩がハンズオンしている姿を間近でみることができました.しかも湯浅先生の講師は外傷関連でも有名な前川先生でとても貴重な場面を見学させて頂きました.(ちょっとだけハンズオンをお裾分け頂けたのも貴重な経験でした.)

2日目はStellar Rのハンズオンに参加しました.モデルボーンを使って密にプレートに触ることでプレートの癖のようなものをこの身で感じることができました.使わなければならない症例はそもそも治療が難しい症例になるかとは思いますが,事前に心の準備をすることができました.

また今回,岩手医科大学のハンドグループの先生方にお声掛け頂き,食事会に参加させて頂きました.我々は湯浅先生,齋藤光先生,自分のAHG最若手3人で参加しました.相手側も同世代の先生がご参加されており,他大学の先生方から聞けるお話は非常に有意義なものでした.

日手会は初めての参加でしたが,本当に刺激的でかつ貴重な経験となりました.教育研修口演が全く聞けなかったのが残念でしたが,後日配信されるオンデマンドでしっかりと復習したいと思います.