第14回日本股関節鏡研究会 (木島泰明)

2018年9月1日(土曜日)、北九州国際会議場において第14回日本股関節鏡研究会が開催されました。会長は産業医大若松病院診療教授・内田宗志先生です。内田教授はアスリートに対する股関節鏡手術のパイオニアであると同時に、股関節鏡視下手術の世界的なエキスパートです。2012年に私が初めて股関節鏡手術を見せてもらったのも、ボストンの股関節鏡キャダバーコースで股関節鏡手術手技を教えて頂いたのも内田先生でした。そのようなご縁もあり、秋田にも股関節鏡手術に来ていただいたこともありました。

今回のテーマはThink Globally, Act Locally グローバルに物事を考え、地域で活動する という内田先生らしいものでした。私がこの会に初めて参加したのは2014年の第10回股関節鏡フォーラムのときで、以降第11回からは研究会として開催されています。第2回の会長が有名な杉山肇先生であり、日本では国際股関節鏡学会International Society of Hip Arthroscopy (ISHA) (2018年には当科の藤井昌先生が発表予定)よりも前から股関節鏡に関して議論がなされていましたが、その技術がかなり成熟してきた現在、今までの股関節鏡手術の限界を見極め、股関節鏡以外の新たな知識や手技、あるいは昔ながらの技術をも組み合わせて、より広い視野で股関節外科医が鼡径部痛や臀部痛について考え、議論し、そこで得たまた新たな考えを持ってそれぞれの地域で活動しよう、という素晴らしい研究会でした。

島田洋一教授と羊ヶ丘病院の加谷光則先生のご高配で、私も今年から世話人として参加させていただきましたが、特に股関節鏡に関しては東北地方はまだまだ過疎地域であり、30名の当研究会世話人の中でも東北在住は私も含め2名のみです。ぜひ若手整形外科医は様々な分野から積極的に本研究会に参加してほしいと思います。特に脊椎を中心に今後活動していきたいと考えている若手ドクターは、鼡径部痛や臀部痛の患者さんを診ることが多いと思いますが、そのような場合にも役立つ研究発表がたくさんありましたし、今後さらに増えてくるものと思います。次回の記念すべき第15回は当科若手ドクターが大変お世話になっている加谷先生が会長をされますので、ぜひ2019年9月7日に札幌で秋田からたくさんの発表ができるように、そして秋田の鼡径部痛や臀部痛の患者さんたちが少しでも早くその痛みから解放されるよう、みんなで頑張りましょう!