第2回こまち疼痛を考える会 (尾野祐一)

第2回こまち疼痛を考える会が秋田ビューホテルで開催されました。

一般演題1では市立秋田総合病院の若林育子先生から「下血を合併した腰椎椎間板ヘルニアの1例」を発表していただきました。消化器内科医のアンケート結果や文献報告をふまえ、症例ごとの鎮痛薬の使い分けを提示していただき、臨床現場で非常に役立つ内容でした。

一般演題2では能代厚生医療センターの安藤滋先生から「急性腰背部痛を主訴に整形外科を受診した大動脈解離の3例」を発表していただきました。外来でよく遭遇する腰背部痛患者の中に、整形外科疾患ではなく、他科領域の疾患、特に大動脈瘤や大動脈解離など緊急性を要するような疾患が隠れていることを提示していただき、普段の臨床現場でも注意しなければならないと改めて強く認識させられました。

特別講演は山梨大学整形外科の江幡重人准教授から「腰部脊柱管狭窄症の診断と治療」についてご講演頂きました。椎間孔部での神経根障害を疑う際の画像所見のポイントや頚部脊髄症患者に腰椎病変を合併例が多いこと、またO-armを用いたPPS挿入の様子などを提示していただき、大変興味深い内容でした。腰部脊柱管狭窄症に関して基礎的なこと、定義や診断方法、保存治療、手術治療、手術を勧める際の基準など、分かりやすく教えていただき大変勉強になりました。この会で学んだことを普段の臨床現場でも活かしていければと思います。

 

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秋田大学整形外科大学院 尾野祐一